南風(読み)ミナミカゼ

デジタル大辞泉 「南風」の意味・読み・例文・類語

みなみ‐かぜ【南風】

南から吹く風。特に、4月ごろから8月ごろにかけて吹く夏の季節風。なんぷう。みなみ。 夏》向日葵ひまはりの葉にとぶ蠅や―/蛇笏
[類語]春一番春風しゅんぷう春風はるかぜ花嵐薫風風薫る緑風やませ涼風すずかぜ涼風りょうふう秋風野分き木枯らし空風寒風季節風モンスーン貿易風東風ひがしかぜ東風こち西風偏西風南風はえ凱風北風朔風雨風波風風浪風雪風雨無風微風そよ風軟風強風突風烈風疾風はやて大風颶風暴風爆風ストーム台風ハリケーンサイクロン神風砂嵐つむじ風旋風竜巻トルネード追い風順風向かい風逆風横風朝風夕風夜風松風まつかぜ松風しょうふう山風山颪谷風川風浜風潮風海風陸風熱風温風冷風

なん‐ぷう【南風】

南から吹く風。特に、夏季に南から吹く風。みなみかぜ。はえ。 夏》
南方歌謡。南方の風習をうたった歌謡。

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精選版 日本国語大辞典 「南風」の意味・読み・例文・類語

なん‐ぷう【南風】

〘名〙
① 南から吹く風。特に夏、南方から吹いてくる風。みなみかぜ。はえ。《季・夏》
※性霊集‐七(835頃)僧寿勢為先師入忌日料物願文「北極垂拱、南風解慍」
読本椿説弓張月(1807‐11)後「女護の嶋人は、南風(ナンフウ)に吹れて孕むとかいへど」 〔尸子‐綽子〕
② 鈍感な人物をいう。あほう。
浮世草子・西鶴伝授車(1716)二「太鞁持の口からは、是でこそお長者と南風(ナンフウ)に吹立られて」
③ 南方の歌謡。南方の風習をうたった歌謡。

みなみ‐かぜ【南風】

〘名〙
① 南から吹いて来る風。みなみ。《季・夏》
更級日記(1059頃)「みなみ風ふけば北になびき、北風ふけば南になびき」
② 転じて、なまぬるいこと。まのぬけていること。のろま。
※浮世草子・好色敗毒散(1703)四「身上よき人のあまり利発過ぎたるも心もとなし。少し南風(ミナミカゼ)の方こそ」

ようず【南風】

〘名〙 南海道地方で、主に春の夕方に吹く南風をいう。なまぬるい雨もよいの風で、物を腐らせたり頭痛を起こさせたりすると考えられていた。所によって、少しずつ違う点がある。《季・春》
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Yôzu(ヨウズ)

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普及版 字通 「南風」の読み・字形・画数・意味

【南風】なんぷう

南からの風。物を生育させる。〔史記楽書五弦の琴を彈じ、南風の詩を歌ひて、天下治まる。紂(ちう)、歌北鄙のを爲して、身死し國ぶ。、何ぞ弘きや。紂の、何ぞ隘(せま)きや。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「南風」の解説

なんぷう【南風】

沖縄泡盛。酒名は一般公募で決められたもの。3年熟成の古酒。原料はタイ米、黒麹。アルコール度数25%、30%、35%。販売元の「沖縄県酒造協同組合」は昭和51年(1976)県下46酒造所が生産する泡盛のなかから良質な泡盛を長期貯蔵し、古酒として安定的に供給するために設立所在地は那覇市港町。

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デジタル大辞泉プラス 「南風」の解説

南風(なんぷう)〔映画〕

1939年公開の日本映画。監督:渋谷実、原作:林芙美子、脚色:伏見晁、撮影:杉本正二郎。出演:田中絹代佐分利信、徳大寺伸、笠智衆、水戸光子、河村黎吉ほか。

南風(なんぷう)〔特急列車〕

JR四国・土佐くろしお鉄道・JR西日本が運営する特急列車。岡山駅(岡山県)から高知駅・中村駅(高知県)を結ぶ。

南風(なんぷう)〔小説〕

宮内勝典の小説。1979年、第16回文藝賞受賞。

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とっさの日本語便利帳 「南風」の解説

南風

夏、南から吹いてくる風。梅雨の頃黒い雨雲の下を吹くのが黒南風(くろはえ)、梅雨明け後の明るい青空の下を吹くのが白南風(しらはえ)。

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世界大百科事典(旧版)内の南風の言及

【風】より

…日本では大阪湾,東京湾,伊勢湾,有明湾などが高潮の起こりやすい地域とされている。【花房 竜男】
【神話】
 ギリシア神話では風神はまず,西風ゼフュロスZephyros,北風ボレアスBoreas,南風ノトスNotosに区別され,曙の女神エオスとアストライオスがその父母とされている。ボレアスは,アテナイの王エレクテウスの王女オレイテュイアを自分の本拠地のトラキアにさらってきて,双子の息子カライスKalaisとゼテスZētēsを産ませた。…

※「南風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」