楽書(読み)ガクショ

デジタル大辞泉 「楽書」の意味・読み・例文・類語

がくしょ【楽書】

中国音楽書。200巻。陳暘ちんようの著。経書中の音楽に関する語の訓釈を行い、律呂りつりょ本義楽章楽器など音楽一般を論じる。

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精選版 日本国語大辞典 「楽書」の意味・読み・例文・類語

がく‐しょ【楽書】

[1] 〘名〙 音楽に関する書籍、文献
史記抄(1477)二〇「言は、今楽書を作るに比類して古来の楽の興衰を云ぞ」
[2] 中国の音楽書。二〇〇巻。陳暘(ちんよう)著。宋代に成立。一~九五巻で、三礼、詩、書、春秋周易孝経、論語、孟子に見える漢字の訓と意味を説き、九六巻以下で、楽律の意味、楽器、楽章など古楽を論じた。

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世界大百科事典(旧版)内の楽書の言及

【雅楽】より

…新しい楽曲の制定,音律の整理が続けられ,神宗の時,さらに雅楽を改訂して大規模な大晟楽(たいせいがく)を制定した。宋代は宮廷で学者が楽議を論じ,音律を改定し勅撰の楽書を編纂した時代であり,陳暘(ちんよう)の《陳暘楽書》,蔡元定の《燕楽書》《律呂新書》などすぐれた理論書が著された。また初唐以来の宴饗楽や中唐以後に胡楽と俗楽が融合してできた新俗楽を燕楽(宴楽)と称して,明確に雅楽と区別するようになった。…

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