デジタル大辞泉
「零落」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
れい‐らく【零落】
〘名〙
① 落ちること。草木の花や葉が枯れ落ちること。散り落ちること。
※菅家文草(900頃)五・春惜桜花「何因苦惜花零落、為
三是微臣身職
二拾遺
一」 〔
楚辞‐
離騒〕
② おちぶれること。貧しくなること。おちぶれて地方にさまようこと。
※三教指帰(797頃)下「的皪貝歯、添レ露而咸零落」
※源平盛衰記(14C前)一四「源家は運衰へて諸国に零落(レイラク)し」 〔管子‐軽重己〕
※凌雲集(814)「久在
二外国
一晩年帰学、知旧零落已無
二其人
一〈林娑婆〉」 〔
曹丕‐与呉質書〕
④ 土地、建物などが荒れ果てること。荒廃すること。さびれること。また、器具・文書などが破損したり、散佚したりすること。
※家伝(760頃)上「先従壬申乱離已来、官書或巻軸零落、或部帙欠少」
※東野州聞書(1455頃)二「家と申し、
天下の
歌人と申、此の両人如
レ此題よみ違へてはいかが侍るべき由、殊に道の零落と覚えたり」
⑥ 乏しくなること。なくなること。
こぼれ‐お・ちる【零落】
〘自タ上一〙 こぼれお・つ 〘自タ上二〙
① 水、涙などがあふれて落ちる。流れ落ちる。
※
伊勢物語(10C前)八七「その石の上に走りかかる水は、
小柑子・栗の大きさにてこぼれおつ」
② 物があふれて落ちる。はみ出て落ちる。
※二人の友(1960)〈
庄野潤三〉四「積んでいるトラックからこぼれ落ちるのもあるだろう」
③ 花や葉などが散って落ちる。散乱する。
※枕(10C終)一九九「風のいとさわがしく吹きて、黄なる葉どもの、ほろほろとこぼれおつる、いとあはれなり」
※
源氏(1001‐14頃)
竹河「裾まで
愛敬のこぼれおちたるやうに見ゆる、御もてなしなども」
⑤ 今までの主従関係を離れる。
※
太平記(14C後)
三七「今度京の敵を追ひ落とす程ならば、
元弘の如く、天下の武士皆こぼれ落て、附き順ひ進らせんずらん」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「零落」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報