零落(読み)レイラク

デジタル大辞泉 「零落」の意味・読み・例文・類語

れい‐らく【零落】

[名](スル)
落ちぶれること。「零落した華族末裔まつえい
草木の枯れ落ちること。
[補説]書名別項。→零落
[類語]落ちぶれる没落凋落ちょうらく転落落魄らくはくうらぶれる成り下がる淪落堕落末路斜陽地に落ちる成れの果て見る影もない末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え減退後退退潮朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末廃れる衰える寂れる落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

れいらく【零落】[書名]

長田幹彦小説。明治45年(1912)4月、「中央公論」誌に発表

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精選版 日本国語大辞典 「零落」の意味・読み・例文・類語

れい‐らく【零落】

〘名〙
① 落ちること。草木の花や葉が枯れ落ちること。散り落ちること。
※菅家文草(900頃)五・春惜桜花「何因苦惜花零落、為是微臣身職拾遺」 〔楚辞離騒
② おちぶれること。貧しくなること。おちぶれて地方にさまようこと。
※三教指帰(797頃)下「的皪貝歯、添露而咸零落」
※源平盛衰記(14C前)一四「源家は運衰へて諸国に零落(レイラク)し」 〔管子‐軽重己〕
③ 死ぬこと。死去
※凌雲集(814)「久在外国晩年帰学、知旧零落已無其人〈林娑婆〉」 〔曹丕‐与呉質書〕
④ 土地、建物などが荒れ果てること。荒廃すること。さびれること。また、器具・文書などが破損したり、散佚したりすること。
※家伝(760頃)上「先従壬申乱離已来、官書或巻軸零落、或部帙欠少」
芸道学術などがすたれること。
※東野州聞書(1455頃)二「家と申し、天下歌人と申、此の両人如此題よみ違へてはいかが侍るべき由、殊に道の零落と覚えたり」
⑥ 乏しくなること。なくなること。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)初「もふおはちが零落(レイラク)した」

こぼれ‐お・ちる【零落】

〘自タ上一〙 こぼれお・つ 〘自タ上二〙
① 水、涙などがあふれて落ちる。流れ落ちる。
伊勢物語(10C前)八七「その石の上に走りかかる水は、小柑子・栗の大きさにてこぼれおつ」
② 物があふれて落ちる。はみ出て落ちる。
※二人の友(1960)〈庄野潤三〉四「積んでいるトラックからこぼれ落ちるのもあるだろう」
③ 花や葉などが散って落ちる。散乱する。
※枕(10C終)一九九「風のいとさわがしく吹きて、黄なる葉どもの、ほろほろとこぼれおつる、いとあはれなり」
表情態度などにあふれて出る。外に現われる。
源氏(1001‐14頃)竹河「裾まで愛敬のこぼれおちたるやうに見ゆる、御もてなしなども」
⑤ 今までの主従関係を離れる。
太平記(14C後)三七「今度京の敵を追ひ落とす程ならば、元弘の如く、天下の武士皆こぼれ落て、附き順ひ進らせんずらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「零落」の読み・字形・画数・意味

【零落】れいらく

うらぶれる。また、死。魏・曹植〔篌引〕楽府 生きては屋に存して處(を)るも 零しては山丘に歸す 先民、誰(たれ)か死せざらん 命(めい)を知らば、復(ま)た何ぞ憂へん

字通「零」の項目を見る

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