うらぶれる

精選版 日本国語大辞典 「うらぶれる」の意味・読み・例文・類語

うら‐ぶ・れる

〘自ラ下一〙 うらぶ・る 〘自ラ下二〙
① (しょんぼりと力なく、心のしおれるような状態をいう語) 心うく思う。うれいしおれる。悄然(しょうぜん)とする。うらびる。
万葉(8C後)五・八七七「人もねの宇良夫礼(ウラブレ)をるに立田山御馬(みま)近づかば忘らしなむか」
源氏(1001‐14頃)明石「わたつ海にしなへうらぶれひるのこのあしたたざりし年はへにけり」
② おちぶれたり不幸に出会ったりして、みじめな有様になる。また、みすぼらしい様子となる。
※紫(1901)〈与謝野鉄幹〉春思「君さては嬉し 焼刃のこぼれ見て むしろ劔の功績(いさを)称へ 瓢零(ウラブ)れし今日の我を責めず」
[語誌](1)ウラは「心」、フルは「触る」で、心が事物に触れて思い入る、感じ入る意か。
(2)①の「源氏」例は、表面は憂いしおれる意であるが、兄帝への恨みを込め、②の意とも重なり合っている。それが見た目のみすぼらしさのみをいうようになるのは近代になってからと思われる。

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デジタル大辞泉 「うらぶれる」の意味・読み・例文・類語

うら‐ぶ・れる

[動ラ下一][文]うらぶ・る[ラ下二]
落ちぶれて惨めなありさまになる。不幸な目にあったりして、みすぼらしくなる。「―・れた生活
心がしおれて、わびしく思う。悲しみに沈む。
「君に恋ひ―・れ居れば敷の野の秋萩しのぎさ雄鹿鳴くも」〈・二一四三〉
[類語]没落落ちぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽地に落ちる成れの果て見る影もない末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え減退後退退潮朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末廃れる衰える寂れる落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

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