精選版 日本国語大辞典 「御仕舞」の意味・読み・例文・類語
お‐しまい ‥しまひ【御仕舞】
〘名〙 (「お」は接頭語)
① やめにすること。おえること。おわってしまうこと。終わり。最後。
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「せめ馬の鞍も鐙も汗に成、のりとどむれば、小者馬取、『もうお仕廻か』と走りよる」
② 商家などで、その年の収支決算を済ませて、正月の支度をすること。
※虎明本狂言・米市(室町末‐近世初)「『中々もはや正月と云も、あすの事じゃ』『申迄も御ざらねども、お仕廻は成まらせう』」
③ 物事がだめになること。望みや救いがなくなること。
※春潮(1903)〈田山花袋〉一「かう為ってはもう恋も了ひだ」
④ お化粧をいう女性語。身じまい。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「おや、お前もうお仕舞(シマヒ)が出来たネ」
⑤ 江戸時代、品川の遊郭で、客が遊女を揚げる約束ができたこと。
※洒落本・古契三娼(1787)「そしてたれ様御仕廻(シマイ)誰と、下(した)へその女郎の名を書てかげみせへはりやす。それを仕廻札といいやす」
⑥ 夕方から夜にかけての挨拶の言葉。「おしまいか」「おしまいです」などの形で用いられる。
※浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下「『お吉様お仕廻か』とおとづるる女房お沢が声」
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