和菓子(読み)わがし

百科事典マイペディア 「和菓子」の意味・わかりやすい解説

和菓子【わがし】

日本特有の菓子で中国(唐菓子)や西洋(南蛮菓子)の影響を受けて発達。米とアズキ餡(あん)が主材料となった甘味の強いものが多い。茶の湯との関係も深く,精巧で季節感を盛ったものが作られている。生菓子は品質の変わりやすい菓子で,練切り求肥(ぎゅうひ)の上生菓子もあるが,〈朝なま〉と呼ばれ,当日中に食べぬと味のおちる並生菓子には,大福餅(もち),桜餅,かしわ餅,草餅などの餅菓子類や,草だんご,鹿の子(かのこ)など大衆的な菓子が多い。またやや保存性のある半生菓子(石衣(いしごろも),最中(もなか)など),保存性の高い干菓子(おこし,落雁(らくがん)など)がある。このほか蒸物(蒸饅頭(まんじゅう),蒸羊羹(ようかん)),棹物(さおもの)(羊羹,外郎(ういろう),金玉糖など),焼菓子(栗(くり)饅頭,どら焼など),掛物(九重(ここのえ),五色豆など),飴(あめ)菓子,砂糖漬などがある。→菓子

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「和菓子」の意味・わかりやすい解説

和菓子
わがし

日本特有の菓子あるいは日本風の菓子のことで、まんじゅう、羊かん、落雁(らくがん)、求肥(ぎゅうひ)、煎餅(せんべい)、飴(あめ)など生(なま)菓子、干菓子をくるめて日本的な風味を形成してきたものをいう。和菓子は洋菓子に対して生まれたことばであり、バターやミルクを材料に用いた菓子と、肉食禁忌の環境で育てられた穀類、果実、山草本位の菓子を区別して、明治以降に和菓子と称するようになった。季節感を豊かに盛り込んでいるのも和菓子の特徴である。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「和菓子」の意味・読み・例文・類語

わ‐がし ‥グヮシ【和菓子】

〘名〙 日本風の菓子。ケーキなどを洋菓子と呼ぶのに対して、餠菓子、まんじゅうなどを区別していう語。
※自由学校(1950)〈獅子文六〉自由を求めて「洋食、中華料理、〈略〉洋菓子、和菓子〈略〉のすべてに亘って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「和菓子」の意味・読み・例文・類語

わ‐がし〔‐グワシ〕【和菓子】

日本風の菓子。製法により、生菓子干菓子半生菓子などに大別される。羊羹ようかん最中もなか煎餅せんべいなど。⇔洋菓子
[類語]菓子洋菓子茶菓子銘菓名菓粗菓茶請けお茶請けスナック菓子餅菓子駄菓子生菓子半生菓子蒸し菓子焼き菓子打ち菓子打ち物干菓子ひがし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「和菓子」の解説

わがし【和菓子】

日本固有の菓子の総称。まんじゅう・ようかん・おはぎ・もなかなどあんを用いたものが多く、そのほからくがん・せんべいなどがある。⇔洋菓子

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典 第2版 「和菓子」の意味・わかりやすい解説

わがし【和菓子】

和風の菓子,日本の伝統的な菓子といった意味であるが,おおむね江戸時代までに中国やヨーロッパから製法を伝えられ,それを日本化したものが多い。米・麦その他の穀粉,葛(くず)粉・ワラビ粉などのデンプン,アズキ・大豆などの豆類,および砂糖を主材料とする甘味のものが多く,鳥獣肉,乳製品はまったく使わず,油脂水溶きした穀粉を焼くときに少量の植物油をひく程度にしか用いず,香辛料の使用も少ない。食味の面からすると,茶の湯を中心として普及してきた緑茶飲用にふさわしいものとして形成されており,色彩・形態の美しさとともに,草木の葉などを利用して豊かな季節感をもっているのが特徴である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「和菓子」の意味・わかりやすい解説

和菓子
わがし

菓子」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

エルニーニョ現象

《El Niño events》赤道付近のペルー沖から中部太平洋にかけて、数年に1度、海水温が平年より高くなる現象。発生海域のみならず、世界的な異常気象の原因となる。逆に海水温が下がるラニーニャ現象も...

エルニーニョ現象の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android