ボーロ

精選版 日本国語大辞典 「ボーロ」の意味・読み・例文・類語

ボーロ

〘名〙 (bolo) 小麦粉に卵を入れてかるく焼いた小さな丸い菓子。ボール。〔舶来語便覧(1912)〕
[語誌](1)室町末期に南蛮菓子一種として日本に伝えられ、ボールと呼ばれていた。早くから商品化され、日本橋の菓子司桔梗屋の天和三年(一六八三)の目録に「ごまぼうる」「花ほうる」「丸ほうる」と見える。
(2)明治に入り洋風の焼菓子ビスケットが台頭するにつれ、古来のボーロは忘れられてしまった。
(3)現在ボーロと呼んでいる菓子の元祖は、明治時代に「園の露」という名で売られていた焼菓子で、片栗粉原料とし、色が白く包装も美しかったところから、「衛生ボーロ」と呼ばれて好評を博した。

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デジタル大辞泉 「ボーロ」の意味・読み・例文・類語

ボーロ(〈ポルトガル〉bolo)

小麦粉に鶏卵砂糖などを加えて軽く焼いた、ポルトガル伝来の丸く小さい菓子。

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーロ」の意味・わかりやすい解説

ボーロ

室町末期に伝えられた南蛮菓子の一種。ポルトガルの菓子boloのことで,江戸時代には〈ほうろ〉〈ほうる〉〈保宇留〉などと書いた。本来のそれは,小麦粉に砂糖その他を加えてこね,ふつう円形にして焼き,または油で揚げるものだったが,日本では油で揚げるボーロはつくられなかった。《御前菓子秘伝抄》(1718)には,小麦粉1升,白砂糖1合を水でこね,この生地をいろいろの形に切り,銅なべに入れてふたをし,ふたの上にも火を置いて焼くとしている。早くから商品化されていたもので,江戸日本橋本町の菓子司桔梗屋河内(ききようやかわち)の1683年(天和3)の菓子目録には,〈ごまぼうる〉〈花ほうる〉〈丸ほうる〉の名が見えている。現在では佐賀の丸ボーロや京都そばボーロが名物として知られる。いずれもオーブンで焼き上げるが,前者は小麦粉,砂糖のほかに水あめ,鶏卵,はちみつなどを加えて焼き,後者はそば粉を加えて独特の風味をもたせている。
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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ボーロ」の解説

ボーロ【bolo(ポルトガル)】

小麦粉・卵・砂糖などを混ぜて焼いた小型の丸い菓子。幼児離乳食などに用いる、片栗粉を用いた直径1cmほどの小粒のものが代表的。少し大きなものでは、佐賀など九州の「丸ボーロ」、京都の「そばボーロ」が知られる。◇ポルトガル語では、ケーキなど菓子類の総称。「ぼうろ」「ぼうる」ともいう。

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デジタル大辞泉プラス 「ボーロ」の解説

ボーロ

でんぷん、鶏卵、砂糖などを丸く焼き上げたもの。口に入れるとふんわりと溶け、幼児菓子で知られる。たまごボーロ、ミルクボーロなどと呼ばれる。

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栄養・生化学辞典 「ボーロ」の解説

ボーロ

 和風の焼干菓子の一つ.

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