カルメラ

精選版 日本国語大辞典 「カルメラ」の意味・読み・例文・類語

カルメラ

〘名〙 (carmelo カラメル、キャラメル同源)⸨カルメル・カルメロ・カルメイラ・カルメイル⸩ 室町末期に西洋人によって日本に伝えられた菓子。古くは氷砂糖卵白を加えて熱したものを冷やして固めたもの。現在では、赤ざらめに少量の水を加えて煮つめ重曹を入れてふくらませたのち固まらせた、軽石状のもの。カルメ焼カルメラ焼
太閤記(1625)或問「下戸にはかすていら、ぼうる、かるめひる、あるへい糖、こんぺい糖などをもてなし」
※書言字考節用集(1717)六「浮石糖 カルメイラ」

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デジタル大辞泉 「カルメラ」の意味・読み・例文・類語

カルメラ(〈ポルトガル〉caramelo)

赤砂糖と水を煮立て、重曹を加えてかきまぜ、膨らませた軽石状の菓子。南蛮菓子一種で、もと氷砂糖に卵白を加え、熱して泡立てたものを固まらせて作った。カルメ焼き。カルメル。
[補説]「キャラメル(caramel)」と同語源

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改訂新版 世界大百科事典 「カルメラ」の意味・わかりやすい解説

カルメラ

砂糖を煮つめて泡立たせ,軽石状に固まらせた菓子。室町末期に伝来した南蛮菓子の一種で,カラメル,キャラメルと同じくポルトガル語caramelo砂糖菓子)を語源とする。江戸時代には〈かるめいら〉などと呼び,浮石糖,泡糖などの字があてられた。当時の製法は,砂糖に水を加えて煮立て,それをすって泡立ったとき,上に絹をかけて冷ます(《御前菓子秘伝抄》)といったもので,膨化剤は使わなかった。いまはカルメ焼,カルメラ焼などと呼び,もっぱら縁日などでつくりながら売られる駄菓子である。銅製の小なべに黄ざらめと少量の水を入れて煮つめ,泡立ってきたら棒の先に重曹をつけてかきまぜ,丸くふくらませて固まらせる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルメラ」の意味・わかりやすい解説

カルメラ

室町時代末期ポルトガル人が伝えた南蛮菓子の一種。ポルトガル語の caramelloから出た言葉だが,日本語では,その姿から「浮名糖」「浮石糖」ともいった。また「軽目焼」ということもある。現在のものは,ざらめ糖に少量の水を加えて煮つめ,先の丸い棒に重曹をつけてすり混ぜたのち,頃合を見計らって棒を回しながら膨張させてつくるが,伝来当時の品は,氷砂糖や卵白を使用するなど,いまのものより高価な品であった。

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百科事典マイペディア 「カルメラ」の意味・わかりやすい解説

カルメラ

砂糖菓子の一種。ポルトガル語のcaramelo(糖菓)の転訛(てんか)という。室町末期に伝来した南蛮菓子で,砂糖に水を加え,煮つめて泡立ったのを冷やして切った。近年では〈カルメ焼〉と呼ばれ,半球形の小鍋(なべ)に黄ざらめ糖と水を少量入れて熱し,泡立った中に棒の先に重曹をつけてまぜ,膨張させて軽石状に固まらせる。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「カルメラ」の解説

カルメラ【caramelo(ポルトガル)】

小型の杓子(しゃくし)状の銅鍋に赤ざらめと少量の水を入れて煮立て、重曹を混ぜてふくれあがったところを丸く軽石状に固めた菓子。南蛮菓子の一種で、当時は氷砂糖と卵白を用いたとされる。◇「カルメ焼き」ともいう。

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