精選版 日本国語大辞典 「軽羹」の意味・読み・例文・類語
かる‐かん【軽羹】
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鹿児島県の名菓で、特産のヤマノイモを原料とした蒸し菓子。10月から4月までの季節菓子である。軽羹の製法は、ヤマノイモ1キログラムをすりおろし、これにやや粗い粳米(うるちまい)の粉1キログラムと上白糖1.1キログラムをあわせてこね、蒸籠(せいろう)で蒸す。これだけの重量が、蒸し上がりには1キログラムほどに軽くなってしまう。軽い羹(あつもの)の意から軽羹と名づけられた。軽羹の素材で漉し餡(こしあん)をくるみ、蒸し上げたものが軽羹まんじゅうである。軽羹が鹿児島で誕生したのは1854年(安政1)である。明石(あかし)の人、八島六兵衛が江戸で仕法を学び、凮月堂(ふうげつどう)の推挙で薩摩(さつま)藩御用菓子司となって鹿児島入りしたときにもたらされたといわれる。六兵衛は生国にちなみ明石屋を屋号としたが、現在では多くの店が軽羹を手がけている。
[沢 史生]
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