年
ねん
太陽が天球上を一周する時間。基準点の選び方によって、次のような種類の1年がある。すなわち、天球上の太陽の経路である黄道と赤道の交点(春分点)に対して太陽が一周する時間を太陽年(回帰年)、太陽が天球上の同一恒星に対して一周する時間を恒星年といい、地球の公転周期である。地球が太陽に対して最短距離にある近日点から出発してふたたび近日点に戻るまでの時間が近点年、天球上の月の経路である白道と黄道の交点に対して太陽が一周する時間が食年で、日・月食はこの周期が関係する。
アメリカの天文学者ニューカムによれば、1900年1月零日12時(暦表時)における各年の値は次のようである。
1太陽年=365.24219879日
=365日5時48分46秒
1恒星年=365.25636042日
=365日6時09分09秒5
1近点年=365.25964134日
=365日6時13分53秒
1食 年=346.620031日
=346日14時52分50秒7
普通、一般に1年というときには太陽年をさし、季節の循環が太陽の春分点通過の時期と関係するところから、暦にはこれを用いる。
[渡辺敏夫]
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デジタル大辞泉
「年」の意味・読み・例文・類語
ねん【年】
[名]
1 1年。とし。「年に一度の祭り」
2 「年季」の略。「年が明ける」
[接尾]助数詞。
1 年号・年数を表すのに用いる。「平成七年」「西暦一九九五年」
2 年齢・学年を表すのに用いる。「人生五〇年」「五年に進級」
[類語]年・歳・周年
とせ【▽年/▽歳】
[接尾]助数詞。年数を数えるのに用いる。「五―」「百―」
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年
ねん
year
地球が太陽のまわりを1公転する時間単位。通常は,春分点から春分点までの太陽年 (365日5時間 48分 46秒) をさすが,ほかに天球に対する1公転の恒星年 (365日6時間9分 10秒) ,近日点をもとにした近点年 (365日6時間 13分 53秒) などの単位もある。1太陽年の長さは,歳差の変化のため,100年につき約 0.5″減じる。暦法上,太陽暦では1年を 365日とし,400年間に 97日の閏日を設けて端数を調節し,太陰太陽暦では朔望月の 12ヵ月を1年とし,2年ないし3年に1度閏月を設けて四季とのずれを調節する。そのほかに,太陽系が銀河系の中心を1公転する時間を単位として使うことがあり,宇宙年と呼ばれる。1宇宙年は約2億 2500万年である。
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ねん【年】
[1] 〘名〙
① 元日から大みそかまでの間。一年。
※彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉一「旅役者による小屋がけの芝居が年に一度か二度か見られる程度であったのだから」
※評判記・秘伝書(1655頃)男のこころしりやうの事「
ねんきれて、わか身がままにならば、御めにかかる事もあるまい」
[2] 〘接尾〙
① 年号、年数を示すのに用いる助数詞。「今年は平成一八年」「西暦二〇〇六年」
② 年齢を示すのに用いる助数詞。「人生五十年」
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年【ねん】
地球が太陽のまわりを公転する周期。基準点を春分点,恒星,近日点にとったものがそれぞれ太陽年,恒星年,近点年。ふつう1年とは1太陽年をさす。暦では暦法により1年の長さが整数日に決められている。
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ねん【年 year】
地球が太陽のまわりを公転する周期。基準点のとり方により太陽年,恒星年,近点年がある。太陽が春分点を出発し,再び春分点に戻ってくるまでが1太陽年で365.2422日である。地球上では,極や赤道付近以外では春夏秋冬の四季を生じ,それによって生活のくぎりが与えられる。1太陽年は人間生活にもっともたいせつな周期であり,従来用いられてきた暦のほとんどは1太陽年を基に組み立てられている。太陽暦で4年に1度の閏(うるう)年をおき,太陰太陽暦で19年に7回閏月を入れるのも,1暦年をできるだけ1太陽年の長さに近づけるためのくふうである。
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世界大百科事典内の年の言及
【暦】より
…1日を単位として長い時間を年,月,日によって数える体系。その体系を構成する暦法,またはそれを記載した暦表,暦書をいうこともある。…
※「年」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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