周期(読み)しゅうき

精選版 日本国語大辞典 「周期」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐き シウ‥【周期】

〘名〙
ひとめぐりの時期。
※寛斎先生遺稿(1821)一・歳晩書懐「帰去家郷期 越山作客已周期」
② ある現象一定時間ごとに、同じ変化を繰り返すとき、その一定時間をいう。波動の場合には、その伝播方向に一波長だけ進行するのに要する時間に等しい。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
他人の顔(1964)〈安部公房〉灰色のノート「あるのはただ周期をもたない人工照明だけ」
元素周期表で横の列をいう。

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デジタル大辞泉 「周期」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐き〔シウ‐〕【周期】

循環して起こる現象や動作が、ひと回りして前と同じ状態になるまでの時間・期間。「月経の周期」「地球の自転周期
[類語]期間全期長期短期通年年間月間

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百科事典マイペディア 「周期」の意味・わかりやすい解説

周期【しゅうき】

(1)関数f(x)が定数ωに対し常にf(x+ω)=f(x)の関係をみたすときf(x)を周期関数いい,ωをその周期という。たとえばsin xは周期2πの周期関数。(2)現象または運動が一定時間ごとに全く同じに繰り返されるときその一定時間を周期という。たとえば単振動,惑星運動の周期。→会合周期サロス周期ブリュックナー周期メトン周期周期彗星周期律
→関連項目振動数波動

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「周期」の意味・わかりやすい解説

周期
しゅうき

時間tとともに変化する量xf(t)があって、すべてのtの値に対してf(tT)=f(t)となるようなTが存在するとき、xの時間変化は周期的であるといい、Tをその周期とよぶ。xが1直線における物体の位置を表す場合には、xf(t)はその直線上における振動を表す。1直線上の運動でなくても、一定時間Tごとに同じ運動を繰り返すのは周期運動である。たとえば地球の中心は太陽の周りを約1年の周期で回転している。二つまたはそれ以上の周期現象があって、その周期が一致しているか整数比の関係にあるときには、これらの現象は同期シンクロナイズ)しているという。

 以上は時間変化に関する周期であるが、これを拡張して空間変化などにも用いることがある。屋根瓦(やねがわら)やタイルなどは二次元(平面)の周期的な配列をつくっている。波は、ある瞬間における空間変化(波形)をみても、ある1点における時間変化(水面の振動など)をみても、ともに周期的になっている。この場合、空間変化のほうの周期は波長とよばれる。

[小出昭一郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「周期」の意味・わかりやすい解説

周期 (しゅうき)
period

振動,波動,円運動などのように,一般に一定の時間間隔で繰り返して同じ状態が現れる現象を周期的現象といい,その繰返しの時間間隔を周期という。例えば振子が1往復するのに要する時間がその振子の周期である。周期の単位としては時間の単位を用い,周期が短い場合には秒,長い場合には時間,日,年なども使われる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「周期」の意味・わかりやすい解説

周期
しゅうき
period

ある現象または関数の各状態が一定の間隔で繰返し現れるとき,その間隔の最小値をいう。普通は,一定の時間間隔をさすが,その他のものにも拡張して用いる。たとえば,波長は波の空間的な周期である。周期が一定の時間間隔であるとき,その逆数は,単位時間に現象が繰返して現れる回数を表わし,振動数または周波数という。間隔を取る独立変数の数に応じて,2つ以上の周期をもつことがあり,多重周期運動,多重周期関数と呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の周期の言及

【句読点】より

… 英語,フランス語,ドイツ語などの〈句読点〉または〈句読法〉にあたるのはパンクチュエーションpunctuationで,3種類に分けられる。まず,文と文との切れめを示す符号として,ピリオドperiod(.),疑問符question mark(?),感嘆符exclamation mark(!)があり,それぞれ叙述・疑問・感嘆(命令)の意味をあらわす。文のなかの部分と部分との切れめを示す符号として,コンマcomma(,),セミコロンsemicolon(;),コロンcolon(:)があり,この順序に切れめが長くなる(該当する息の切れめが時間的に長くなる)。…

【周期表】より

…元素の周期律を表の形で表したもの。周期律表ともいう。種々の形のものがある。図1に1869年D.I.メンデレーエフが最初に工夫したものを改良した形の〈短周期型周期表〉,図2に現在広く用いられている〈長周期型周期表〉の例をそれぞれ示す。どちらの型の表でも,原子番号1の水素Hから103のローレンシウムLrまで,あるいは104や,最近報告されている105以上の数個の元素をも含めて,あらゆる元素を原子番号の順序に階段状に配列し,原子の構造,元素の性質のよく似たものどうしが上下に重なり合うように巧みに構成してある。…

【段】より

…(1)雅楽では,近代では,1曲を章・節・段と細分したときの最小単位に用いる。これは文章の細目用語の応用で,楽章・楽節・楽段とも用い,そのまま洋楽のmovement,phrase,periodの訳語にも用いる。ただし楽段という訳語の用い方は場合によって一定していない。…

【振動】より

…これは弦や膜の各部分が,互いに隣接する部分に弾性の力を及ぼし合いながら振動して,全体としてある規則的な運動をしているのであるが,これを連続体の振動という。振動の特徴は,後で述べるように,物体が,それに働く力がつり合って静止する位置を中心として,その位置からずれるとそこへ戻そうとする力を受けて,周期的な往復運動を行う点である。ただし,物体が周期的に往復運動をしていても,振動とは呼ばない場合もある。…

※「周期」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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