閏月(読み)うるうづき

精選版 日本国語大辞典 「閏月」の意味・読み・例文・類語

うるう‐づき うるふ‥【閏月】

〘名〙 閏に当たる月。太陰太陽暦で、ある月が終わったあとに、続いてもう一度繰り返す同じ月のこと。
書紀(720)欽明一五年正月(寛文版訓)「去年(こぞ)の閏月(ウルフツキ)の四(よか)の日を以て到来(いた)りて云ひしく」

じゅん‐げつ【閏月】

菅家文草(900頃)六・扈従雲林院、不勝感歎、聊叙所観・序「况年之閏月、一歳余分之春」
※交隣須知(18C中か)一「閏月 ジュンゲツハ 三年ブリニ マワリマスル」 〔書経‐堯典〕

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デジタル大辞泉 「閏月」の意味・読み・例文・類語

うるう‐づき〔うるふ‐〕【×閏月】

にあたる月。陰暦で、12か月のほかに付け加える月。

じゅん‐げつ【×閏月】

うるうづき」に同じ。

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普及版 字通 「閏月」の読み・字形・画数・意味

【閏月】じゆんげつ

うるう月。〔書、尭典〕(年)は三百六旬六日、閏を以て四時を定め、す。允(まこと)に百工を釐(をさ)めば、庶績咸(み)な煕(ひろ)まらん。

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改訂新版 世界大百科事典 「閏月」の意味・わかりやすい解説

閏月 (うるうづき)
intercalary month

太陰太陽暦では月の満ち欠けの周期で暦月を決め,その12ヵ月で1年とする。1ヵ月は平均29日半でその12倍は354日にしかならない。季節の巡りの1太陽年365.2422日より11日余り短いので3年で34日不足となる。したがって3年に一度,ときには2年に一度閏月を置いて1年を13ヵ月にする。精確には19年に7回閏月を置くとほとんど差が出なくなる。元来二十四節気は閏月をどこに挿入するか計算で決めるためのものである。
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百科事典マイペディア 「閏月」の意味・わかりやすい解説

閏月【うるうづき】

太陰太陽暦において,季節と日付を合わせるためつけ加える特別の月。同じ月を2度繰り返し,後者を閏何月と呼ぶ。3年に1回,8年に3回,11年に4回,19年に7回おく方法などがある。旧暦では中気節気)を含まない月を閏月とする。
関連項目中国暦二十四節気

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閏月」の意味・わかりやすい解説

閏月
うるうづき
intercalary month

太陰暦において,1朔望月は 29.53日であるから,地球が太陽のまわりを1周する 365.24日は,12ヵ月と 13ヵ月の間になる。これを補正するため,平年は 12ヵ月とし,2年ないし3年に1度ずつ閏月をおいて 13ヵ月とする。古代中国の天文学主力は,この閏月をいかに配置するかの研究にそそがれ,1年二十四節気との関連において 19年に7回閏月を挿入する暦法が完成した。

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世界大百科事典(旧版)内の閏月の言及

【太陰太陽暦】より

…そこで2年か3年に一度,ある月を2ヵ月おいて1年を13ヵ月にして,季節と日付の食違いを1ヵ月以内にとどめようとするのが太陰太陽暦である。余分に挿入される月を閏(うるう)月といい,19年に7回の閏月をおくとぐあいがよいのでこの19年のことを1章といった。日本では1873年(明治6)に太陽暦が採用されたが,それ以前に使用されていた暦はすべて太陰太陽暦であり,俗に陰暦とか旧暦と呼ばれている。…

※「閏月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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