普及版 字通 「君(漢字)」の読み・字形・画数・意味
君
常用漢字 7画
[字訓] きみ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]
[字形] 会意
尹(いん)+口。尹は神杖をもつ聖職者、口((さい))は祝詞を収める器。巫祝の長をいう字であった。〔説文〕二上に「なり」と訓し「尹に從ひ、號を發す。故に口に從ふ」とするが、口は祝を示す。周の創業をたすけた召公は金文に「皇天尹大保」とよばれ、〔書〕では「君(くんせき)」とあって、尹・君・保はみな聖職者としての称号であった。王侯の夫人を古く「君氏」というのも、かつて女巫が君長であったなごりであろう。〔左伝、襄十四年〕に「夫(そ)れ君はのなり」とあり、君はもと神巫の称であった。のち祭政の権を兼ねて君王の意となり、古い氏族時代には、その地域の統治者を里君といった。
[訓義]
1. きみ、君王、統治者。
2. おさ、かしら。身分ある人の敬称。
3. 尊属者の敬称。
4. 対称。敬愛の意を含めていう。
5. 神霊その他、畏敬すべきものに用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕君 キミ・タフトシ
[声系]
〔説文〕に君声として郡・群・・窘・など九字を収める。君声の字に束の意があるらしく、多くのものが一体としてある状態をいうようである。
[語系]
君・・群・giunは同声。は群居の意。()は集の意で、・は同字。みな同系の語であろう。
[熟語]
君位▶・君王▶・君恩▶・君家▶・君器▶・君義▶・君舅▶・君▶・君訓▶・君姑▶・君侯▶・君公▶・君国▶・君子▶・君氏▶・君賜▶・君事▶・君舎▶・君主▶・君寿▶・君相▶・君臣▶・君心▶・君人▶・君側▶・君朝▶・君長▶・君道▶・君徳▶・君父▶・君婦▶・君母▶・君民▶・君命▶・君門▶・君臨▶
[下接語]
暗君・家君・寡君・我君・貴君・恵君・賢君・元君・厳君・国君・妻君・細君・四君・此君・使君・思君・師君・嗣君・事君・主君・諸君・少君・湘君・神君・真君・人君・仁君・聖君・先君・尊君・大君・忠君・君・冢君・二君・夫君・父君・邦君・亡君・暴君・名君・明君・遊君・幼君・庸君・良君・老君・郎君
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報