かしら(読み)カシラ

精選版 日本国語大辞典 「かしら」の意味・読み・例文・類語

か‐しら

(「かしらぬ(ん)」の変化した語。多く女性が用いる)
[1] 〘終助〙 =かしらん
※この子(1896)〈樋口一葉〉「これからの永世(ながらく)を光りも無い中に暮すのかしら」
[2] 〘副助〙 (「何」「どこ」「だれ」などにつけて用いる) =かしらん
滑稽本八笑人(1820‐49)初「人を破家(ばか)に計りしなさんなよ。何かしらちっとは能の有る物だ」
[語誌]→「かしらん」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「かしら」の意味・読み・例文・類語

かしら[副助・終助]

《「かしらん」の音変化》
[副助](「なに」「だれ」「どこ」などの疑問語に付いて)不定のものをいう意を表す。「どこかしらへ行ってしまった」「なにかしらむつかしいことを言っていた」
[終助]
口調を和らげ、不審・疑問の気持ちを表す。かな。
自分自身に対して問いかける。「あら、雨が降ってきたのかしら」「午後は何をしようかしら
相手に対して問いかける。「ご都合はいかがかしら
打消しの助動詞「ない」「ん(ぬ)」のあとに付けて、願望依頼の意を表す。「わたしも連れていってくれないかしら」「お世話願えませんかしら
[補説]現代では、多く女性が用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のかしらの言及

【頭】より

…〈さらし首〉〈首を斬る〉などの表現にみられるように,首から上の部分という意味で,頭のことを〈首〉ということもある。〈かしら〉〈こうべ〉などの語も同じ内容で使われる。高等な動物ほど脳を収容する脳頭蓋の発達が著しいため,狭義には,顔面や下あごを除いて脳頭蓋をおさめた後上部だけを頭と呼ぶことも多い。…

※「かしら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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