人名(読み)じんめい

百科事典マイペディア 「人名」の意味・わかりやすい解説

人名【じんめい】

個人の名のこと。日本では姓(苗字)と名(個人名)で人名とするため姓名ともいう。名には,生まれた時に付けられる幼名,元服の際にもらう本名,本名が忌名(いみな)であるために用いる通称,特徴その他から付する綽名(しゃくめい)(あだ名)などのほか(あざな),(おくりな)など各種あった。なお,現在日本の人名に用いる漢字は,常用漢字人名用漢字の中から選ぶのが原則となっている。欧米のファミリー・ネームは姓,クリスチャン・ネーム(ファースト・ネーム)は名に当たる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人名」の意味・わかりやすい解説

人名
じんめい
name

個人の名。個々の物を同類の他の物から区別するためにつけられた名を,文法上は固有名詞といい,人名はその代表的なものである。人名をもたない社会は発見されていないが,命名法は社会によってまちまちである。人名の学問的研究は従来その語源や発達に集中していたが,最近は社会現象としての命名の統計的研究や歴史的研究も進んできた。 (→ , 父称 )

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精選版 日本国語大辞典 「人名」の意味・読み・例文・類語

にん‐みょう ‥ミャウ【人名】

〘名〙 神社や仏寺ではなく、人間に貢納する義務をもつ名田
※楽音寺文書‐宝治二年(1248)二月三日・公文仲原某等連署下文案「近来間人名被堕て、仍勤彼役、御堂已成破懐地畢」

じん‐めい【人名】

〘名〙 人の名。
※令義解(718)宮衛「其奉勅人名違錯。〈謂。出入人名。与帳乖錯也。〉即執奏聞」 〔南斉書‐王僧虔伝〕

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デジタル大辞泉 「人名」の意味・読み・例文・類語

じん‐めい【人名】

人の名。「人名録」
[類語]名前氏名姓名姓氏せい名字うじファーストネームフルネーム芳名尊名高名こうめい貴名

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世界大百科事典 第2版 「人名」の意味・わかりやすい解説

じんめい【人名】

個々人を他の人と区別するために,個人ごとにつけられた名をいう。人名には,個人の所属を明らかにするため氏族,家族,父親居住地などの名が添加されるといったことがあり,また世界の各民族や地域によって,その社会・文化のあり方とかかわる多様性もみられるので,世界数地域における人名について説明する。
【日本】
 日本人の場合は,姓(苗字(みようじ))を冠し名(個人名)を付けてその人名とするので,〈姓名〉と呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「人名」の意味・わかりやすい解説

人名
じんめい

姓名

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世界大百科事典内の人名の言及

【讃岐国】より

…瀬戸内海の海上交通の要地に位置する塩飽諸島や小豆島などは幕初から天領であったが,生駒氏改易後は新たに満濃池の普請費用を確保するため那珂郡の3ヵ村(2290石余)が天領となった(これを池御領(いけごりよう)という)。塩飽では豊臣秀吉より島の構成員たる人名(にんみよう)に島の石高(1250石)が与えられ,以来人名の中の有力者である年寄の合議によって島の政治が行われ,1797年(寛政9)には年寄が政務を執る勤番所(きんばんしよ)が建てられた(現在,復元・保存されている)。西廻海運の発達によって中世に水軍として活躍した塩飽では廻船業が発展し,幕府の城米輸送船として大いに栄えたが,近世後期には衰えた。…

【塩飽諸島】より

…秀次の朱印状をうけ,関ヶ原の戦後の1600年(慶長5)9月には徳川家康より,30年(寛永7)8月には秀忠から同様の朱印状をうけ,幕府の御用船方として領地を安堵された。この650人を大名・小名に対して人名(にんみよう)とよぶ。 人名は各種の幕府の船役・水主役をつとめる代りに1250石の土地の領知権と周辺海域の漁業権などを認められていた。…

【人名制】より

…江戸時代,讃岐塩飽(しわく)諸島(丸亀市)にみられた人名の制度。人名とは1590年(天正18),豊臣秀吉から検地高1250石の領知を認められた塩飽島中船方650人のことで,その数は本島の泊,笠島浦をはじめ塩飽諸島の20の浦々に90から7の範囲で配分されていた。…

※「人名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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