(読み)ヤ

デジタル大辞泉 「屋」の意味・読み・例文・類語

や【屋/家】

[名]
住むための建物。家屋。いえ。「我が―」「一軒―」
屋根。
「声高になのたまひそ。―の上にをる人どもの聞くに、いとまさなし」〈竹取
[接尾]名詞に付く。
それを売買する人や家の意を表す。「本―」「菓子―」
そのような性質の人をいう。使う人、場合によって軽蔑自嘲の意を込めて用いられることもある。「気取り―」「わからず―」「がんばり―」
役者の屋号文人の雅号などとして用いる。「紀の国―」「鈴の―」
商業などを営んでいる家の屋号として用いる。「越後―」「近江―」
そのことを専門にしている人、ある技術に優れている人などをさしていう。使う人、場合によって自慢げに、うらやましげに、あるいは自嘲や軽蔑の意を込めても用いられる。「事務―」「技術―」「政治―」「チーム随一の飛ばし―だ」「速いだけが取り柄の走り―さ」
[類語]いえ人家民家家宅うち家屋屋舎おくしゃ住宅住家じゅうか住居私宅居宅自宅きょ住まい住みかねぐら宿やどハウス尊敬お宅尊宅尊堂高堂貴宅(謙譲)拙宅弊宅陋宅ろうたく陋居陋屋ろうおく寓居ぐうきょ

おく【屋】[漢字項目]

[音]オク(ヲク)(呉)(漢) [訓]
学習漢字]3年
〈オク〉
住まい。いえ。「屋外屋内家屋社屋書屋廃屋茅屋ぼうおく陋屋ろうおく
やね。「屋上
〈や〉「屋敷屋根母屋おもや楽屋問屋とんや納屋なや長屋部屋へや
[名のり]いえ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「屋」の意味・読み・例文・類語

や【屋・家・舎】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. いえ。家屋。住居としての建造物や、これに準ずるものとして、家畜を飼ったり物を貯蔵したりするための建造物などをも含めていう。
      1. [初出の実例]「誰そ此の屋(や)の戸押(お)そぶる新嘗(にふなみ)に我が夫(せ)をやりて斎(いは)ふ此の戸を」(出典:万葉集(8C後)一四・三四六〇)
    2. 建造物の主要部分としての屋根をさす。
      1. [初出の実例]「屋の上には糸を染めて色々葺(ふ)かせて」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙
    1. 名詞について、その物をそろえて売買する人や家を表わす。また、これに準じて他の業種についてもいう。「米や」「薬や」「植木や」「ブリキや」「質や」「はたごや」など。
    2. 転じて、それを専門としている人をさしていう。軽蔑(けいべつ)、または自嘲(じちょう)の意を込めて用いることがある。「政治や」「物理や」など。
    3. 種々の語について、そのような人を軽蔑し、ののしって呼ぶのに用いる。「わからずや」「やかましや」「気どりや」など。
    4. 商家、旅館、料理屋などの屋号として用いる。「越後や」「紀の国や」「丸や」「鈴や」など。
    5. 役者、文人などの雅号として用いる。「音羽や」「鈴のや」など。

おくヲク【屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いえ。家屋。建物。や。
    1. [初出の実例]「富は屋(ヲク)を潤し、徳は身を潤すといへども、富ほど損なるものなし」(出典:滑稽本・古朽木(1780)二)
    2. [その他の文献]〔易経‐豊卦〕
  3. 屋根。〔詩経‐召南・行露

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「屋」の解説


ふなや

賀茂庄の木津きづ川の津としてできた集落で、対岸瓶原みかのはら郷河原への渡船場でもあった。近世にはさと兎並うなみきた三村にまたがり町場が形成されており、この三村の中心はそれぞれの舩屋の地であったが、正徳二年(一七一二)八月一八日に木津川一帯を襲った大洪水により、一切が流失木津川の流れも変化した。これによりそれぞれの集落や社寺が現在地の山際に移転。現在の舩屋はそれ以降の集落である。以後舩屋の中心は里村域であったらしいが、「京都府地誌」は字舩屋を北村および兎並村の小字に入れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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