盲亀の浮木(読み)モウキノフボク

デジタル大辞泉 「盲亀の浮木」の意味・読み・例文・類語

もうき‐の‐ふぼく〔マウキ‐〕【盲亀の浮木】

《大海中に住み百年一度水面に出てくる目の見えない亀が、ようやく浮木いその穴に入るという「涅槃経」などにある話から》めったに会えないこと。また、仏法に出会うことが困難であることのたとえ。
[類語]又と無い又無い無二無比無双無類比類ない類がない並びないたぐいまれ又と二度と二度と再びめった千載一遇得難いまれかけがえのない希有けう一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

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精選版 日本国語大辞典 「盲亀の浮木」の意味・読み・例文・類語

もうき【盲亀】 の 浮木(ふぼく・うきぎ)

(海中から百年に一度しか浮かび上がってこない盲目の亀が、海面に首を出した時、流れただよっている浮木の一つしかない穴に首がちょうどはいるという、雑阿含経、涅槃経などにある話から) 会うことがきわめてむずかしいこと、めったにないこと、また、仏または仏の教えにあうことがむずかしいことのたとえ。浮木(うきき)に会える亀。
謡曲・鵺(1435頃)「悲しきかなや身は籠鳥、心を知れば盲亀の浮木、ただ闇中に埋れ木の、さらば埋れも果てずして、亡心なにに残るらん

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ことわざを知る辞典 「盲亀の浮木」の解説

盲亀の浮木

盲目の亀が水に浮いた木に出会う。会うことがきわめてむずかしいこと、常識的にはまずありえないことのたとえ。仏または仏の教えにあうことのむずかしさをいう。

[使用例] 良い妻となるべき女は、千人中三人位しかあるまい。これとめぐり合うことは盲亀の浮木にあうがごとし[山田風太郎*戦中派復興日記|1951]

[解説] 大海中に住み、一〇〇年に一度水面に浮かび出るといわれる盲目の亀が、流れただよう浮木のただ一つの穴に入ろうとするという「涅槃経」などにある寓話によることば。

〔異形〕浮き木に会える亀

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