無類(読み)むるい

精選版 日本国語大辞典 「無類」の意味・読み・例文・類語

む‐るい【無類】

〘名〙
① (形動) たぐいのないこと。比べるもののないこと。もっともすぐれていること。また、そのさま。
玉葉‐治承五年(1181)正月一日「東大寺者、我朝第一之伽藍、異域无類之精舎也」
美貌皇后(1950)〈亀井勝一郎古塔天女「とくに甍の美しさは無類である」 〔杜甫‐漫興詩〕
② 江戸時代の歌舞伎役者の位付(くらいづけ)で、総芸頭(そうげいがしら)に次ぐ位。立役・女形いずれかにおいて、比べるものがないことを示す。
※滑稽本・客者評判記(1811)下「其前年の顔見世大当りにて極上上吉の位を無類と直す」

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デジタル大辞泉 「無類」の意味・読み・例文・類語

む‐るい【無類】

[名・形動]たぐいがないこと。比べるものがないほどにすぐれていること。また、そのさま。無比無双。「無類な(の)好人物」「無類な(の)音楽好き」
[類語]無双無比無二唯一比類の無い・類が無い・類を見ない・比べ物にならない・並び無い・例えようも無い・底知れない単数単一単独単身単発単品又と無い比類ない類いまれ又無いめった千載一遇時機機会チャンス好機時節頃合い頃おいときおり機運潮時潮合い時宜機宜適期てっき時分時分どき商機勝機戦機タイミング得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

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普及版 字通 「無類」の読み・字形・画数・意味

【無類】むるい

仲間はずれ。〔韓詩外伝、五〕夫(か)の無、不形の行、不贊の辭の(ごと)きは、君子之れを愼(つつし)む。

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