最後(読み)さいご

精選版 日本国語大辞典 「最後」の意味・読み・例文・類語

さい‐ご【最後】

〘名〙
物事のいちばん終わり。最終終末
古事談(1212‐15頃)三「㝡後船無乗者
平家(13C前)七「けふを最後、只今かぎりの別なれば、ゆくもとどまるも、たがゐに袖をぞぬらしける」 〔後漢書‐張禹伝〕
今昔(1120頃か)三一「其の女㝡後(さいご)に法花経を読み奉て失にければ」
③ 空間的にいちばん後ろ。
※日本読本(1887)〈新保磐次〉四「小太郎は年最長じたれば、己れは最後の方に乗り、前に孫太郎を乗せ」
④ (それをしたらそれですべて終わりの意。「…が最後」「…たら最後」などの形で、仮定や事実を述べる句に付いて、次に述べる事態との区切りを強調する) 一旦…したら、それきり。…したらそれからは…。百年目。
浮世草子好色万金丹(1694)二「西口質屋へもたしてやるが、置くとさいごに流れの身こそ悲しけれと」
侏儒言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉鼻「我々の自己欺瞞は一たび恋愛に陥ったが最後、最も完全に行はれるのである」

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デジタル大辞泉 「最後」の意味・読み・例文・類語

さい‐ご【最後】

物事のいちばんあと、または後ろ。いちばん終わり。最終。「最後の力を振り絞る」「列の最後に並ぶ」「最後最後まであきらめない」「学生生活の最後を飾る」⇔最初
(「…たら最後」「…が最後」の形で)それで終わりで、あとはどうにもならない意を表す。一度…したら、それっきり。「走りだしたら最後、止まらない」「食いついたが最後、離れない」
最期さいご
[類語](1終わりしま最終終極究極終局終末掉尾とうび・ちょうび大尾たいび結び限りどん詰まり大詰め土壇場どたんば幕切れラストフィナーレフィニッシュ順序、列などの最後)しりけつ殿しんがりどんじり最後尾末尾

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普及版 字通 「最後」の読み・字形・画数・意味

【最後】さいご

最終。

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