無二(読み)ムニ

デジタル大辞泉 「無二」の意味・読み・例文・類語

む‐に【無二】

同じものが他に一つもないこと。並ぶものがないこと。「無二の親友」
[類語]無双無比無類唯一比類の無い・類が無い・類を見ない・比べ物にならない・並び無い・例えようも無い・底知れない単数単一単独単身単発単品又と無い比類ない類いまれ又無いめった千載一遇時機機会チャンス好機時節頃合い頃おいときおり機運潮時潮合い時宜機宜適期てっき時分時分どき商機勝機戦機タイミング得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

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精選版 日本国語大辞典 「無二」の意味・読み・例文・類語

む‐に【無二】

〘名〙
① (形動) 同じもの、同等のものが他に一つもないこと。並ぶもののないこと。またとないこと。また、そのさま。無双。無比。
平家(13C前)二「我等が無二の丹誠を知見して、一々の懇志を納受し給へ」 〔史記‐淮陰侯伝〕
② (形動) ふたごころのないこと。裏切る心を持たないこと。ならびなく忠義であること。また、そのさま。
太平記(14C後)五「入道頓て戸野が語ひに随て、我館へ宮を入進らせ、無二の気色に見へければ」 〔春秋左伝‐僖公一五年〕
③ 「むに(無二)の友」の略。
※政談(1727頃)四「夫より某が父と無二になり、『御用に可立者也』と陰にて云たりと」
④ 仏語。時間・空間を超え、変化・無変化もなく、有でもなく無でもない、対立を超えた世界。また、その認識。不二(ふに)
※往生要集(984‐985)大文一〇「明尋常念相者、此有多種。大分為四。〈略〉四無相業。謂雖称念仏、欣求浄土、而観身土、即畢竟空、如幻如夢、即躰而空、雖空而有、非有非空、通達此無二、真入第一義、是名無相業」
⑤ (形動) 「むにむさん(無二無三)③」の略。
仮名草子・身の鏡(1659)上「男の切懸(きっかけ)を違へぬによって、無二(ムニ)に討ち果す」

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普及版 字通 「無二」の読み・字形・画数・意味

【無二】むに

無比。無双。〔史記、准陰侯伝〕(通曰く)、足下西河(わた)りて魏王を(とりこ)にし、~趙を徇(したが)へ、燕を脅(おびやか)し、齊を定め、~西して以て報ず。此れ謂(いはゆる)功、天下に二無く、略(りやく)(計略)、不世出なるなり。

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