水草【すいそう】
〈みずくさ〉,水生植物とも。水中に生育する植物の総称。抽水(ちゅうすい)植物(ヨシ,ガマなど,茎の下部や根を水につけ岸近くで生育するもの),浮葉植物(ヒシ,トチカガミなど,水深1〜2mに生え葉を水面に浮かべるもの),沈水植物(クロモ,エビモなど,2〜10m付近で体全体を水につけているもの),ウキクサなどの浮水植物,藻類,植物プランクトンなどをすべて含む。一般に栄養塩類などは水中に溶存するものを体表面から吸収する。また根の発達は悪く,通気組織はよく発達しているものが多い。さまざまな生理・生態的特徴から,水草は陸上生活から水中生活にまい戻った植物と考えられる。
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みず‐くさ みづ‥【水草】
〘名〙
① 水と草。すいそう。
※
源氏(1001‐14頃)若菜上「水草きよき山のすゑにてつとめ侍らむとてなむまかりいりぬる」
▼みずくさの花《季・夏》
※
落窪(10C後)一「かき絶えてやみやしなましつらさのみいとどます田の池のみづくさ」
すい‐そう ‥サウ【水草】
〘名〙
① 水と草。川と草花。
※艸山集(1674)二三・山居得腐字八首「病来事事総無為、水草清処伴二牧豎一」 〔墨子‐非楽上〕
②
淡水中またはその水辺に生える草。海草に対していう。みくさ。みずくさ。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)三「険悪道の、はるかにたえて毒獣おほく、またまた水草(スイサウ)(〈注〉ミツクサ)なく」 〔礼記‐祭統〕
み‐くさ【水草】
〘名〙 水中や水辺に生える草。みずくさ。
▼みくさ生う《季・春》
※
万葉(8C後)三・三七八「いにしへの古き堤は年深み池のなぎさに水草
(みくさ)生ひにけり」
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み‐くさ【▽水草】
「みずくさ」に同じ。
「古の古き堤は年深み池のなぎさに―生ひにけり」〈万・三七八〉
すい‐そう〔‐サウ〕【水草】
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水草 (ミズクサ)
植物。ガマ科の抽水性多年草,園芸植物,薬用植物。ガマの別称
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すいそう【水草 water plant】
水生植物のことで〈みずくさ〉ともいう。植物体全体が水中にあり,根が水底についているクロモ,エビモなどの沈水植物と,ジュンサイ,ヒルムシロなどの水面に浮かぶ葉をもつ浮葉植物floating‐leaved plant,ガマ,ハスなどの葉や茎が水面上にでる抽水植物emergent plant(挺水植物ともいう),根が水底につかず,植物体全体が水面や水面下で浮遊するウキクサ,タヌキモなどの浮水植物floating plantからなる。
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世界大百科事典内の水草の言及
【水草】より
…淡水産の高等植物に限る場合と,アマモなどの海水産の高等植物や大型藻類まで含める場合がある。 水草の生活の場となる水界は,植物に必要な水はもちろん,栄養塩類やガス類が溶存状態で存在し,温度変化は小さい。このように植物の生育に好適な一方,水は光を吸収し,水中では深くなると暗くなる。…
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