精選版 日本国語大辞典 「水辺」の意味・読み・例文・類語
すい‐へん【水辺】
〘名〙
① 水のほとり。みずぎわ。みぎわ。水涯(すいがい)。水瀕(すいひん)。水畔(すいはん)。
※菅家文草(900頃)二・晴砂「晴砂宜二勝境一、好是水辺行」
※日葡辞書(1603‐04)「Suifenni(スイヘンニ) ナツ ナシ」 〔楊巨源‐折楊柳詩〕
② 連歌、俳諧の用語で、水に関係のあることば。体と用(ゆう)とにわけられ、それぞれ付合に制限がある。
※連理秘抄(1349)「水辺体 海・浦・入江〈略〉同用 舟・浮木・流れ〈略〉非二水辺一物 砂・苫屋・霞の網」
③ (②から転じて) 一般に水に縁のある事柄やことば。また、「水」を「粋」に掛けて、特に芝居や郭方面の男女の事や場所など。
※咄本・醒睡笑(1628)七「夜分に居所へきたって水辺(スヰヘン)をくだすは、人倫か生類か。植物をもって打擲せよ」
※評判記・色道大鏡(1678)一「古来和歌に読来れるも、遊女は水辺(スイヘン)の事によせてよめり」
みず‐べ みづ‥【水辺】
〘名〙 水のほとり。すいへん。
※ふゆくさ(1925)〈土屋文明〉冬草「この頃の日和つづきに萌えいでしみづべ冬草ふみてあそべり」
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