デジタル大辞泉
「先手」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
せん‐て【先手】
〘名〙
① 事を行なうのに他の人の先を越すこと。他の人より先に行なうこと。また、相手より先に攻撃すること。
※天草版金句集(1593)「タイリャク モノワ xenteuo(センテヲ) スル モノガ カツゾ」
※上杉家文書‐年未詳(
室町)七月一七日・太田道誉資正書状「御越山可為何比候哉、先手之御取扱に極候」
③ はじめのもの。最初のほうのもの。
※和英語林集成(
初版)(1867)「アツラエモノヲ sente
(センテ)カラ ジュンニ ヤル」
④ 囲碁や将棋で、二人の対局者のうち先に着手する人。〔運歩色葉(1548)〕
⑤ 囲碁や将棋で、攻めの
主導権を得ること。また、その着手。
※
太閤記(1625)二一「将棊の上手は〈略〉或せんて、或しかけなどの宜しき行出来ぬれば」
さき‐て【先手】
〘名〙
① 陣立で、本陣の前にある部隊。また、先頭を進む部隊。先陣。
先鋒(せんぽう)。さき。
※
嘉吉記(1459‐67頃)享徳三年「一方の先手と頼切たる勝元逐電の上は、今夜の
征伐は止にけり」
② 行列などの先頭をつとめる者。先頭を行く供人。
※俳諧・西鶴大句数(1677)一「行龝や道せばからぬ一里塚 三人ならびに先手の者ども」
③ 江戸時代、将軍護衛の役。
※
随筆・胆大小心録(1808)一〇八「大田蜀山子、今はおさきての御旗本にめされし也とぞ」
せん‐しゅ【先手】
〘名〙
① 人より先に手を付けること。せんて。
② 先陣。さきて。せんて。〔
蘇軾‐送周正孺知東川詩〕
③ 囲碁、将棋などで相手より先に打ち始める方。また、主導権を握ること。せん。せんて。〔
耶律楚材‐過済南和香山居士詩〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報