精選版 日本国語大辞典 「在来」の意味・読み・例文・類語
あり‐きたり【在来】
〘名〙 (形動)
※談義本・銭湯新話(1754)一「神武以来あり来りの神社の祭さへせぬやふに、成果(ナリハツ)べきかと」
② (転じて) 今までどおりで、少しもめずらしくないこと。ごくありふれていること。型どおりで陳腐なこと。また、そのさま。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉新詩人「趣向は在来(アリキタ)りの筋で一向斬新でないが」
あり‐きた・る【在来】
〘自ラ四〙 昔から現在まで存在する。今までどおり変わらないである。もとのままである。古くから伝えられて残っている。
※蜷川文書‐一四集・永祿一一年(1568)八月吉日「対二三郎衛門尉一、礼節以下儀、可レ為レ如二有来一事」
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「在来(アリキタ)りたる艸冊子は専ら童幼婦女子ばらの玩具(もてあそび)ぐさに供せしもの」
あり‐・く【在来】
〘自カ変〙 (その状態で)ずっと存続してきている。また、(その状態が)ずっと存続し経過している。
※書紀(720)雄略九年五月(前田本訓)「又、汝大伴卿(まふちぎみ)、紀卿等と、同じ国近き隣の人にして、由来(アリクルこと)尚(ひさ)し」
ざい‐らい【在来】
〘名〙 今までふつうにあったこと。これまでどおり。ありきたり。従前。
※新加制式(1562‐73)一五条「如二在来一土貢可二収納一」
※門(1910)〈夏目漱石〉一一「御米が在来(ザイライ)よりどれ程力めてゐるかが能く解った」
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