前前(読み)ぜんぜん

精選版 日本国語大辞典 「前前」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐ぜん【前前】

[1] (「せんぜん」とも。副詞的にも用いる) 以前。従来。かつて。ずっとまえ。
※続日本後紀‐天長一〇年(833)二月乙酉「詔曰、〈略〉人々不好る謀懐て、天下をも乱り、己氏門をも滅人等も前々有」
※続々金色夜叉(1899‐1902)〈尾崎紅葉〉五「前前(ゼンゼン)から其話は有りましたので御座いますが」
[2] 〘語素〙 一定の時や配列序列を表わす語の上に付いて、基準となるものの前の前であることを示す。二つ前。まえのまえ。先先(せんせん)。「前々夜」「前々月」「前々週」「前々条」「前々回」など。
財政法(1947)二八条「国庫状況に関する前前年度末における実績並びに前年度末及び当該年度末」

まえ‐まえ まへまへ【前前】

〘名〙 ずっとまえ。以前。
※簾中旧記(1521頃か)「まへまへのやうだいさやうに見えまゐらせ候」
※玉塵抄(1563)一〇「大にまえまえとかわって〈略〉すなをになったぞ」

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デジタル大辞泉 「前前」の意味・読み・例文・類語

まえ‐まえ〔まへまへ〕【前前】

ずっと前。かねて。以前。「前前からの約束」「前前から気になっている」
[類語]前に・ある時・いつぞや過去以前かつ在りし日往年往時往日旧時昔日せきじつ昔時せきじ昔年せきねん往昔おうせき往古古昔こせきいにしえ古くそのかみ当時かねてかねがね何時か既往これまで従来従前し方先年当年一時一頃その節先に当時古来あらかじめ前以て年来旧来在来その昔太古千古大昔元元元来本来大体どだい自体そもそも元より根っから何等なんら全然全く一向さっぱりまるきりまるで今まで常常つねづね間断かんだん延延連綿長長ながなが脈脈綿綿縷縷るるずっと生まれつき生来

ぜん‐ぜん【前前】

[名]以前。かつて。
「―より、ふとお見上げ申したものの言うのでは」〈鏡花・眉かくしの霊〉
[語素]日時年月や配列・序列を示す語の上に付いて複合語をつくり、その前の前である意を表す。先々せんせん。「前前回」「前前条」「前前年度」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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