普及版 字通 「仮(漢字)」の読み・字形・画数・意味
仮
常用漢字 6画
(旧字)假
11画
[字訓] かり・かる・かす・たとい
[説文解字]
[字形] 形声
旧字は假に作り、(か)声。〔説文〕八上に「眞に非ざるなり」と訓し、「一に曰く、至るなり」として〔書、尭典〕「上下に假(いた)る」の文を引くが、〔尭典〕の文は格の仮借。眞(真)は死の人であるから、真仮は対言すべきものでない。は玉質の石塊を切り出して、これを琢冶する意。玉石を分かつ以前のもの。假は仮面。かりにその象を借るものをいう。
[訓義]
1. かり、かりの、かりに。
2. 一時的に代わる、かる、かす。
3. たとい、もし。
4. 琢冶する以前の石。仮面はすべて材質の大きなものから作る。大きい。
5. 遐に通じ、はるか。
6. に通じ、さいわい。
7. 暇に通じ、ひま、いとま。
8. 嘉に通じ、よい。
9. 格に通じ、いたる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕假 カリ・カル・カス・カハリ・ヨル・アカラサマ・カタシ・イトマ・イトマアリ・オホキナリ・タトヒ・イタル・ヨロコブ・ウタタ・カカル・ノボル 〔字鏡集〕假 カカル・カフ・ヨシ・カス・カハリ・シバラク・ヨル・カル・アカラサマ・イトマアリ・ウタタ・タトヒ・キタル・イタル・ノボル・オホキナリ・カリニカル・カタシ・ミダリガハシ・ツツム・イトマ
[声系]
〔説文〕に声として假・瑕・・・暇・鍜など十五字を収める。は琢冶以前の材質のもので真に非ざるもの。假に「大なり」「遠なり」「暇なり」の訓があるのはその通用義。「至る」は格の通用義である。
[語系]
假・・・keaは同声。瑕・暇・鍜heaも同系の語。格keakも声近く、神霊の降臨することを金文や〔書〕には「邵各(せうかく)」「昭格」に作り、〔詩〕には「昭假」に作る。各は口((さい)、祝告)に対して、神霊の降下する足(夂)の象で、各・格が正字、假は声の仮借字である。
[熟語]
仮易▶・仮意▶・仮印▶・仮隠▶・仮▶・仮花▶・仮館▶・仮偽▶・仮休▶・仮居▶・仮髻▶・仮形▶・仮▶・仮継▶・仮言▶・仮口▶・仮号▶・仮山▶・仮子▶・仮死▶・仮日▶・仮▶・仮借▶・仮若▶・仮儒▶・仮充▶・仮助▶・仮称▶・仮傷▶・仮食▶・仮真▶・仮寝▶・仮人▶・仮請▶・仮摂▶・仮説▶・仮葬▶・仮想▶・仮貸▶・仮託▶・仮托▶・仮賃▶・仮捏▶・仮途▶・仮頭▶・仮▶・仮寧▶・仮寐▶・仮父▶・仮母▶・仮謗▶・仮冒▶・仮埋▶・仮命▶・仮面▶・仮喩▶・仮与▶・仮容▶・仮楽▶・仮使▶・仮令▶
[下接語]
恩仮・寛仮・乞仮・休仮・給仮・虚仮・権仮・告仮・私仮・賜仮・取仮・請仮・貸仮・天仮・転仮・赴仮・補仮・満仮・濫仮
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報