(読み)いつま

精選版 日本国語大辞典 「暇」の意味・読み・例文・類語

いつ‐ま【暇】

〘名〙 「いとま(暇)」の上代東国方言
万葉(8C後)二〇・四三二七「我が妻も絵にかきとらむ伊豆麻(イツマ)もが旅ゆくあれは見つつ偲はむ」

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デジタル大辞泉 「暇」の意味・読み・例文・類語

ひま【暇/閑】

[名]
継続する動作などの合間に生じるわずかの時間。「食事をする―もない」「―を見て外出する」
事をするための一定の時間。「―のかかる仕事」「手間―」
自由に使える時間。なすべきことの何もない時間。「―を持てあます」
休暇休み。「一週間の―をいただく」
主従夫婦などの関係を断つこと。縁を切ること。
[形動][文][ナリ]自由になる時間がふんだんにあるさま。なすべきことの何もないさま。「明日は―だ」「商売が―になる」「―な人」
[類語](3いとま閑暇かんか小暇しょうか小閑しょうかん寸暇寸閑余暇よか空き時間/(手明き用無し閑散無聊ぶりょう開店休業徒然つれづれ徒然とぜん手持ち無沙汰退屈所在ない持て余す寂寥せきりょう寂寞せきばく寂しい

いと‐ま【暇/×遑】

《「いと」は「いとなし」の「いと」で休みの時、「ま」は間の意》
用事のない時間。ひま。「休む―もない」
一時的に休むこと。休暇。「三日ほどのお―を乞う」
職務を離れること。辞職。また、解雇。ひま。「雇い主に―を願い出る」
離縁離婚。「妻に―を出す」
(多く「おいとまする」の形で用いる)別れて去ること。また、そのあいさつ。辞去。「―を告げる」「そろそろお―しよう」
喪に服すること。またそのために出仕しない期間。
「御―になり給ひぬれば、藤壺も夜さりまかで給ひ」〈宇津保・国譲上〉
ある物事をするのに空けることのできる時間。
「仮名文見給ふるは目の―いりて」〈・若菜上〉
すきま。ひま。
谷風の吹き上げにたてる玉柳枝の―も見えぬ春かな」〈夫木・三〉
[類語]ひま空き閑暇小暇しょうか小閑しょうかん寸暇・寸閑・余暇よか

か【暇】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]ひま いとま
〈カ〉仕事のない時間。仕事のあい間。「閑暇休暇賜暇小暇寸暇請暇余暇
〈ひま〉「暇人ひまじん手間暇てまひま

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