デジタル大辞泉
「雅」の意味・読み・例文・類語
が【雅】
[名・形動]みやびやかなこと。奥ゆかしいこと。また、そのさま。風流。
「馬が尿するのをさえ―な事と見立てて」〈漱石・草枕〉
[名]「詩経」の六義の一。周王朝の儀式や宴席でうたわれた詩歌。大雅・小雅に分かれる。
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みや‐び【雅】
〘名〙 (形動) (動詞「みやぶ(雅━)」の連用形の
名詞化)
① 宮廷風で上品なこと。都会風であること。また、そのさま。洗練された風雅。優美。
※
書紀(720)継体七年八月(前田本訓)「是に、月の夜に
清談(ものかたり)して、不覚
(おろか)に天暁
(あ)けぬ。斐然
(ふみつくる)藻
(ミヤヒ)、忽に言に形る」
② 恋の
情趣を解し、洗練された恋のふるまいをすること。
※
伊勢物語(10C前)一「昔人は、かくいちはやきみやびをなんしける」
※書紀(720)仁徳即位前(前田本訓)「大王
(きみ)は
風姿(ミヤヒ)岐嶷(いこよか)にまします」
が【雅】
〘名〙
① (形動) 正しく善いこと。きちんとして上品なこと。また、そのさま。
② (形動) みやびやかなこと。おくゆかしいこと。また、そのさま。風流。
※
翰林五鳳集(1623)一一「蓋予与
二祥寿翁
一旧交、非
二一日之雅
一也」 〔新書‐道術〕
③ 趣味の高尚なこと。
④ 「詩経」の六義
(りくぎ)の一つで、風、頌とともに内容上の分類の一つ。周の
王室のことをうたったもので、大雅と小雅に分かれる。
※
古今(905‐914)真名序「和歌有
二六義
一。一曰風、二曰賦、三曰比、四曰興、五曰雅、六曰頌」 〔詩経‐大序〕
⑤ 他人の
言行、詩文などにつけるほめことば。「雅兄」
まそ・し【雅】
〘形ク〙 正しい、明確である、の意か。
※書紀(720)景行一七年三月・
歌謡「命の 摩曾祁
(マソケ)む人は
畳薦(たたみこも) 平群(へぐり)の山の
白橿(しらかし)が枝を
髻華(うづ)に挿せ この子」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
雅
みやび
日本文学の美的理念の一つ。「みやび」は「宮ぶ」から出た言葉で,宮廷風であることが本来の意味で,それが美意識の次元まで高められたもの。都会的な文化と密着し,都会人の繊細で鋭敏な感受性によって見出された,上品で優雅な,知的に洗練された情趣美であって,粗暴,やぼ,無知などに背反する。実生活の日常性から遊離した宮廷生活の風流で遊戯的な雰囲気のなかでの産物である。奈良時代末期からすでにみられるが,平安時代に入って京都を舞台として展開された貴族文化の美意識の核心をなしていた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
雅
株式会社小樽海洋水産(北海道小樽市)が製造する調味料。原料にアマエビを使用した醤油(魚醤)。
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世界大百科事典(旧版)内の雅の言及
【雅俗】より
…〈雅〉と〈俗〉とは相対立する概念。日本でもひろく用いられるが,中国では時代による意味の変化がみられる。…
※「雅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」