平群(読み)へぐり

精選版 日本国語大辞典 「平群」の意味・読み・例文・類語

へぐり【平群】

[一] 奈良県北西部にあった旧郡。古代豪族平群氏の根拠地で、中世には興福寺荘園が多かった。明治三〇年(一八九七)添下郡と合併して生駒郡となる。
[二] 奈良県生駒郡の地名。南西部に信貴山があり、その中腹に朝護孫子寺がある。バラ温室栽培で有名。近年宅地化が進む。
[三] 安房国(千葉県)の古郡名。近世からは平郡(へいぐん)と呼ばれ、明治三〇年安房郡に合併された。

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改訂新版 世界大百科事典 「平群」の意味・わかりやすい解説

平群[町] (へぐり)

奈良県北西部,生駒郡の町。1971年町制。人口1万9727(2010)。町域は比較的緩やかな生駒山地東斜面,竜田川中流の平群川沿岸低地断層崖で急な矢田丘陵西斜面からなる。古くから開けた地で,古代の豪族平群氏の本拠地で,平安前期には信貴山の中腹に《信貴山縁起》で知られる信貴山朝護孫子寺が開かれた。信貴山城が築かれ,戦国時代には松永久秀父子が拠ったが,1577年(天正5)織田信長軍によって焼かれた。水田農業と山間地域でのキクなどの花卉や,ブドウ栽培が盛んである。1969年ごろから住宅団地の開発が進み,人口が急増している。竜田川の低地を近鉄生駒線が走り大阪方面への通勤者も多い。西部に信貴生駒スカイラインが通じる。
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世界大百科事典(旧版)内の平群の言及

【平野殿荘】より

…大和国平群郡(現,奈良県生駒郡平群町)の荘園。田数9町余。…

※「平群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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