精選版 日本国語大辞典 「陸」の意味・読み・例文・類語
くが【陸】
〘名〙 (「くぬが」の変化した語)
① 海、川、湖、沼などに対して、陸の部分。陸地。くにが。くぬが。
※書紀(720)神代下(寛文版訓)「此れ、海(うみ)陸(クガ)相通(かよは)ざる縁(ことのもと)なり」
※交隣須知(18C中か)二「陸路 クガヲユクユヱ ニモツハ フネノ人ニ タノムヨリホカハゴザラヌ」
[語誌](1)水部に対する語であり、後には②のように海路・水路に対する陸路をさすようにもなる。
(2)語形としては「クムガ」(書陵部本名義抄・色葉字類抄)、「クヌガ」(日本書紀古訓)、「クニガ」(改正増補和英語林集成)などがあり一定しない。語源的には「国(クニ)処(カ)」ともいわれるが、そうだとすると、日本書紀古訓の「クヌガ」は「クヌチ(国内)」などとの類推から作られた語形である可能性もある。
(2)語形としては「クムガ」(書陵部本名義抄・色葉字類抄)、「クヌガ」(日本書紀古訓)、「クニガ」(改正増補和英語林集成)などがあり一定しない。語源的には「国(クニ)処(カ)」ともいわれるが、そうだとすると、日本書紀古訓の「クヌガ」は「クヌチ(国内)」などとの類推から作られた語形である可能性もある。
りく【陸】
〘名〙
※文明本節用集(室町中)「古法不レ施二於今一、猶三舟不レ可レ行二之於陸(リク)一〔後漢書〕」
くぬ‐が【陸】
〘名〙 (「くにが(国処)」の変化した語) 陸地。くむが。くが。⇔海処(うみが)。
※書紀(720)欽明六年一一月(寛文版訓)「敬みて糸綸(みこと)を受けて、陸(クヌカ)海(うみ)に劬労(たしな)み」
くが【陸】
姓氏の一つ。
くに‐が【陸】
〘名〙 =くぬが(陸)〔改正増補和英語林集成(1886)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報