精選版 日本国語大辞典 「馬陸」の意味・読み・例文・類語
やすで【馬陸】
〘名〙 ヤスデ綱(倍脚類)に属する節足動物の総称。多くは体長二センチメートル内外。体は細長く、円筒状または扁平、一三~一〇〇対以上の歩脚をもつ。ムカデに似ているが一体節に二対の歩脚(ムカデは一対)を具えるので区別できる。毒腺はないが体側の小穴から不快な臭気を発する。外敵にあうと頭を中にして体を丸める。夜行性で落葉の下などの陰湿な場所を好み、植物質を食べる。キシャヤスデ類は八年おきに大発生し、列車がスリップして動けなくなることがある。オビヤスデ・ヒメヤスデなど日本に約三百種、世界に約一万種知られる。最大種はインド洋のセイシェル諸島に生息するダイオウヤスデで、全長二八センチメートルに達する。ムカデ類などを含めて多足類と総称することもある。円座虫。《季・夏》
※咄本・かの子ばなし(1690)中「此あたりには、やすでといふ虫おほく有やととふ」
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