玉鬘(読み)タマカズラ

デジタル大辞泉 「玉鬘」の意味・読み・例文・類語

たまかずら【玉鬘】[書名・謡曲]

源氏物語第22巻の巻名。光源氏、34歳から35歳。成人して筑紫から上京した玉鬘が、源氏養女となるいきさつを描く。
女主人公の名。頭中将とうのちゅうじょうの娘。母は夕顔。筑紫から上京し、源氏に養われ、貴公子たちに懸想されるが、鬚黒ひげくろ大将の妻となる。
(「玉葛」とも書く)謡曲四番目物金春禅竹こんぱるぜんちく作。源氏物語に取材。玉鬘の霊が死後も晴れぬ妄執を打ち明ける。

たま‐かずら〔‐かづら〕【玉×鬘】

[名]
古代装飾品の一。多くの玉を糸に通した髪飾り
押木の―を持たしめて」〈・下〉
かつら・かもじの美称
「あれを見よしらが女の―」〈誹諧連歌抄・恋〉
[枕]玉鬘を頭にかけるところから、「懸く」またその「かけ」の類音「影」にかかる。
「―かけぬ時なく恋ふれども」〈・二九九四〉
「―影に見えつつ忘らえぬかも」〈・一四九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「玉鬘」の解説

玉鬘 たまかずら

「源氏物語」の登場人物
父は頭中将(とうのちゅうじょう)。母は夕顔。乳母に筑紫(つくし)でそだてられ,のち光源氏の養女となる。冷泉(れいぜい)帝などに求婚されるが,結局,きらっていた無骨な髯黒(ひげくろの)大将と結婚した。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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