種(漢字)

普及版 字通 「種(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] シュ・ショウ・チョウ
[字訓] たね・うえる・たぐい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は重(じゅう)。重は(ふくろ)の中にもののある形。種とは、中に新生の種を包蔵することをいう。〔説文七上に「先に(う)ゑて、後に孰(じゆく)(熟)するなり」とあり、おくての稲をいう。〔詩、大雅、生民〕「(ここ)に嘉種をす」とは、周の后稷(こうしよく)が嘉禾(かか)を与えられたとする伝承を歌うものである。穀種が字の原義。それより種樹・種芸・種類などの字となる。字はまたに作ることがある。

[訓義]
1. たね、草木のたね。
2. たねまく、うえる。
3. くさぐさのたね、たぐい、しゅるい、なかま、ともがら。
4. おくて、重(ちょうりく)。
5. 腫に通じ、はれる。
6. 鍾に通じ、あつまる。

[古辞書の訓]
和名抄種子 日本紀私記に云ふ、水田種子、太奈毛乃(たなつもの)、陸田種子、波多介豆毛乃(はたけつもの)。種、太(たね)〔名義抄〕種 タネ・クサ・シク・カス・ワセ・シゲシ・トモガラ・ウウ/一種 オナジコト・ワセ・オクテ

[語系]
種diong、tjiongは声近く、(しゆ)は〔説文〕に「(う)うるなり」とあり、〔説文〕は種を晩熟の禾、を種樹の字とする。字形よりいえば、種が種芸・種樹の字である。鍾・(鐘)が同字とされたように、種・ものち同字とされたのであろう。

[熟語]
種火・種・種花・種種戒・種牛・種魚・種恵・種芸・種戸種穀・種菜・種作・種歯・種子・種祀・種蒔・種樹種種種植種殖・種姓・種宗・種竹種痘・種徳種輩・種麦種播・種別・種末・種薬・種落・種粒・種類・種
[下接語]
異種・移種・遺種・易種・下種・嘉種・改種・貴種・区種・後種・耕種・根種・栽種菜種雑種・実種・樹種・将種・植種・人種・接種・善種・多種・田種・同種・農種・播種・品種・糞種・分種・別種変種・芳種・薬種・流種・竜種・良種

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報