浩然(読み)コウゼン

デジタル大辞泉 「浩然」の意味・読み・例文・類語

こう‐ぜん〔カウ‐〕【×浩然】

[ト・タル][文][形動タリ]《「浩」は水が豊かなさま》心などが広くゆったりとしているさま。「浩然として天を仰ぐ」
[類語]悠長悠然悠悠悠揚どっしり気長伸び伸び伸びやかのどかのんびり屈託無い自然体でんとどっしりどっかとどっかり冷静沈着平静泰然綽然しゃくぜん自若腰を据える太っ腹堂堂正正堂堂毅然心静か穏やか温和物静かおとなしやか安らか安穏のんどり広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかおっとりさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆雅量大量泰然自若肝が据わる腹が据わる

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精選版 日本国語大辞典 「浩然」の意味・読み・例文・類語

こう‐ぜん カウ‥【浩然】

〘形動タリ〙 水が豊かに流れるさま。また、心などが広くゆったりとしているさま。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)三「浩然の気謂之養素。素と云が天地の元気の其ままな処を云て候ぞ」 〔孟子‐公孫丑・下〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浩然」の意味・わかりやすい解説

浩然
こうぜん / ハオラン
(1932―2008)

中国の小説家。本名は梁金広(りょうきんこう/リアンチンコアン)。河北(かほく/ホーペイ)省趙各荘(ちょうかくしょう/チャオコーチョアン)の炭鉱に生まれ、少年時代から革命闘争に参加。農村工作に従事していたが、投稿を契機に新聞記者となる。1956年の『喜鵲登枝(きじゃくとうし)』以来、農村を舞台にした短編小説を多作、『彩霞集(さいかしゅう)』(1963)、『杏花雨(きょうかう)』(1964)など百数十編を発表した。また児童文学でも知られる。1966年に長編『艶陽天(えんようてん)』(うららかなひ)を完成、農業集団化をめぐる農村の各階層の対立を生き生きと描いて注目され、文化大革命中も人民公社化を描く長編『金光大道』(1972。邦訳『輝ける道』)を発表し、文革を代表する作家とよばれた。四人組失脚後は一時批判を浴びたが、その後1979年に長編『男婚女嫁』を発表している。1986年に北京(ペキン)市内から郊外の農村へ居を移し、多くの農民作家の育成に努めた。1988年、市場経済に向かう農村をテーマに『蒼生(そうせい)』を執筆し、テレビドラマ化される。2000年には口述自伝『我的人生』(私の人生)を発表し、注目された。中国作家協会理事、中国大衆文学会副会長、北京市文連(文学芸術界連合会)副主席、北京市作家協会主席、『北京文学』誌主編、『蒼生』誌主編などを歴任

[刈間文俊]

『伊藤克訳『艶陽天』全8巻(1974~75・青年出版社)』『神崎勇夫訳『輝ける道』全3巻(1974・東方出版)』

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普及版 字通 「浩然」の読み・字形・画数・意味

【浩然】こう(かう)ぜん

広大のさま。正気を浩然の気という。〔孟子、公孫丑上〕我善く吾が然の氣をふ。~其の氣爲(た)るや、至大至剛、直を以てうてすること無くんば、則ち天地のに塞がる。

字通「浩」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浩然」の意味・わかりやすい解説

浩然
こうぜん
Hao Ran

[生]1932.3.25. 河北
中国の小説家。本名,梁金広。貧農の出で,10歳のとき父母を亡くした。抗日戦争中,各種の宣伝活動に従事。 1958年,農業合作社の運動を題材とした短編集『喜鵲登枝』を出して注目され,以後,社会主義体制下の新しい農村を描いた作品を発表。『金光大道』第1部 (1972) ,第2部 (74) など,文化大革命後も最も顕著な活躍を示した。 77年末,四人組批判の高まりとともに,その路線に従った者として批判されたが,その後文壇に復帰し,『人民文学』などに作品を発表している。ほかに長編小説『艶陽天』 (66) ,短編集『珍珠』 (62) など。

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