時雨煮(読み)しぐれに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「時雨煮」の意味・わかりやすい解説

時雨煮
しぐれに

ハマグリの香りを残す佃煮(つくだに)風の煮方をいうのであるが、いまはハマグリ以外の材料を用いても時雨煮といっている。三重桑名は江戸時代からハマグリが名物であり、「その手は桑名の焼きはまぐり」という俗語が古くから使われている。いまでも、桑名、四日市のハマグリの時雨煮はこの地方の名物になっているが、往年のようにはこの近くの海でハマグリがとれなくなった。しかし独特の調理技術で優秀品がつくられている。

多田鉄之助


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精選版 日本国語大辞典 「時雨煮」の意味・読み・例文・類語

しぐれ‐に【時雨煮】

〘名〙 ハマグリやカキのむき身に、サンショウ、ショウガなどを加えて佃煮にした食品。しぐれ。
※素人庖丁‐初(1803)「蛤具和(はまぐりねぎあへ)〈略〉同時雨煮(シグレニ)

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日本の郷土料理がわかる辞典 「時雨煮」の解説

しぐれに【時雨煮】


はまぐり・あさり・かつお・まぐろなどを、しょうがを加えてしょうゆ・砂糖などで煮しめた料理。はまぐりのものが三重県桑名市の名物料理として知られる。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「時雨煮」の解説

しぐれに【時雨煮】

はまぐり・あさり・かつお・まぐろなどを、しょうがを加えてしょうゆ・砂糖などで煮しめた料理。はまぐりのものが三重・桑名の名物料理として知られる。

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デジタル大辞泉 「時雨煮」の意味・読み・例文・類語

しぐれ‐に【時雨煮】

ハマグリなどのむき身に、ショウガを加えて佃煮つくだに風に煮上げた料理。
[類語]煮物煮付け煮染め煮転がし煮浸し旨煮含め煮煮込み煮凝にこごじぶ煮角煮兜煮煮魚筑前煮従兄弟煮甘露煮佃煮

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