精選版 日本国語大辞典 「役所」の意味・読み・例文・類語
やく‐しょ【役所】
〘名〙
① 役(やく)を課せられた所。賦役(ぶやく)を負担する地域。
※吾妻鏡‐弘長元年(1261)二月二五日「若張二煩
所一。於二路次一。致二狼藉一之由有二其聞一」

② 役人が公務を取り扱う所。現在は、国家や地方自治体の事務を取り扱う所。官庁。官署。役場。
※黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)下「青砥左衛門のやく所へうったへいでける」 〔宋史‐王能伝〕
※近衛家本追加‐弘安七年(1284)一一月~八年一一月「寄二役所一致二自由合戦一事」
④ 中世、関所の異称。〔文明本節用集(室町中)〕
⑤ 遊里で、遊女の出る張見世をいう。
※洒落本・水月ものはなし(1758)中「折節見世(ヤクショ)へ出る小袖も、同じ物はせつなく」
⑥ 検番の事務所。
※洒落本・中洲の花美(1789)小通の登楼「見番いかめしく芸者役所とかいつけし方灯(あんどう)を出し」
やく‐どころ【役所】
〘名〙 その人にふさわしい役。適した役目。ちょうどいい役柄。また、振り当てられた役、役目、役割。
※苦笑風呂(1948)〈古川緑波〉ロッパ放談「所謂ボケといふ役どころで、曾我廼家蝶六といふ名優の行き方に似たものである」
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