精選版 日本国語大辞典 「上空」の意味・読み・例文・類語
うわ‐の‐そら うは‥【上空】
〘名〙
① 空の上の方。天の上。
※源氏(1001‐14頃)夕顔「山のはの心もしらでゆく月はうはの空にて影やたえなむ」
② (形動) 心がうきうきして落ち着かないさま。よそに心が奪われて、あることに注意が向かないこと。
※源氏(1001‐14頃)薄雲「うはの空なる心ちのみしつつあかしくらすを」
③ (形動) 漠然として雲をつかむようなさま。根拠のないこと。
※是貞親王歌合(893)「かりのなくうはの空なる涙こそ秋の袂の露とおくらめ」
④ (形動) 軽々しいさま。無責任なこと。
※落窪(10C後)二「かくうはの空に御局あるまじかめるものを、いといとほしきわざかな」
※浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)四「恋の山、ちくさに思ひあまりてや、うはのそら成御有様」
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