デジタル大辞泉 「空」の意味・読み・例文・類語
そら【空/▽虚】

1 頭上はるかに高く広がる空間。天。天空。「東の―が白む」「鳥のように―を飛び回りたい」「―高く舞い上がる」
2 晴雨などの、天空のようす。天候。空模様。「今にも降り出しそうな―」
3 その人の居住地や本拠地から遠く離れている場所。または、境遇。「異国の―」「旅の―」「故郷の―を懐かしむ」
4 (多く「そらもない」の形で)心の状態。心持ち。心地。また、心の余裕。「生きた―もない」
「観菊などという―は無い」〈二葉亭・浮雲〉
5 すっかり覚え込んでいて、書いたものなどを見ないで済むこと。「山手線の駅名を―で言える」
6 家の屋根や天井裏、木の
「それがしが木の―にゐれば」〈狂言記・柿山伏〉

1 他に心を奪われ、ぼんやりして当面の事柄に対応できないでいるさま。うわのそら。
「たもとほり
2 はっきりした理由もなく事が起こるさま。偶然。
「二人の人、同じ夜、―に相会へり」〈今昔・九・三三〉
3 確かな根拠もなく推量するさま。
「それ、しかあらじと、―にいかがは推し量り思ひくたさむ」〈源・帚木〉

1 それらしく思われるが実際はそうでない、という意を表す。うそ。いつわり。「―涙」「―笑い」「―とぼける」
2 実体のない、事実でない、などの意を表す。「―耳」「―
3 あてにならない、信頼できない、などの意を表す。「―頼み」
4 はっきりした理由のない、わけのわからない、なんとなく、などの意を表す。「―恐ろしい」「―恥ずかしい」
[類語](



くう【空】[漢字項目]
[学習漢字]1年

1 そら。「空間・空気・空中/滑空・
2 がらんとして大きい。「
3 中身・根拠がない。何もない。からっぽ。「空虚・空席・空想・空白・空論/架空・真空・中空」
4 仏教で、実体・本質のないこと。「空観/色即是空」
5 航空機。「空軍・空港・空襲・空路」
6 空気。「空調・空冷」


[名のり]たか
[難読]
くう【空】

1 天と地との間。
2 《〈梵〉śūnyaの訳。うつろであること、ない、の意》仏語。すべての事物はみな因縁によってできた仮の姿で、永久不変の実体や自我などはないということ。
3 「空軍」の略。「陸海

1 何も存在しないこと。また、そのさま。うつろ。
「彼は―な
2 事実でないこと。よりどころのないこと。また、そのさま。
「決して自己弁護の―な言草じゃあない」〈里見弴・今年竹〉
3 無益なこと。また、そのさま。むだ。「今までの努力が
[類語]無・烏有・
うつお〔うつほ〕【▽空/▽虚/▽洞】
「この
2 岩や樹木にできた空洞。ほら穴。
「いかめしき牝熊、牡熊、子生み連れてすむ―なりけり」〈宇津保・俊蔭〉
3 上着だけで、下に重ねるべき衣類を着用しないこと。
「短き衣―にほうかぶって、帯もせず」〈平家・八〉
4
[補説]発音は、古くは「ウツホ」、その後「ウツヲ」「ウツオ」と変化したという。また、「ウツボ」と濁音にも発音されたらしい。
から【空/▽虚】


1 何も持たないこと。何も伴っていないこと。「―馬」「―手」
2 実質的なものが伴わないこと。うわべや形だけで役に立っていないこと。「―元気」「―回り」「―手形」「―世辞」
[類語]空っぽ・がらんどう・空ろ・空疎・空漠・空白・空虚・ブランク・空間・スペース・空き・中天・空洞・がら空き・