デジタル大辞泉
「意」の意味・読み・例文・類語
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い【意】
〘名〙
① 心に思うこと。考え。意見。
※凌雲集(814)和左衛督朝臣嘉通秋夜寓直周廬聴早雁之作〈
嵯峨天皇〉「終宵不
レ寝意無
レ窮」
※
俳諧・
去来抄(1702‐04)先師評「先師の意を以て見れば」 〔
魏志‐呂布伝〕
② 心に決めたこと。望み。また、しようとする考えや気持。こころざし。意志。
※太平記(14C後)一七「生て置ん共、殺されんとも、意に任す可しと仰せられければ」
※
江戸繁昌記(1832‐36)四「願はくは意と為って心に随ひ、君楽しめば則ち妾も亦楽しみ」 〔魏書‐李琰之伝〕
③ わけ。意味。また、文章などで言おうとしている点。
主旨。
※
読本・春雨物語(1808)海賊「汝が名、以
レ一貫
レ之と云語をとりたる者とはしらる。さらば、つらぬきとよむべけれ。之は
助音、之には意ある事無し」 〔文心雕龍‐書記〕
④ 好意。愛情。
※春潮(1903)〈田山花袋〉一一「娘の此身に多少の意を有して居ることは最早明白である」
⑤ 仏語。あれこれと考える心のはたらき。また、心の意にも用いる。そのはたらきのよりどころを意根、意処、意界ともいう。
※勝鬘経義疏(611)十大受章「第一初五戒名為
二摂律儀戒
一。律者類也。儀者容儀。此五戒止
二於意悪
一」 〔
倶舎論‐四〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
意
い
manas
仏教用語。元来は考えるものの意。仏教において心は精神の主体的側面を意味し,意は精神の働きを示す。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の意の言及
【意識】より
…古代インドには,霊的,生命的なものを言い表す言葉の一つとして〈意manas〉(英語ではmindと訳される)という語があったし,また原始仏教では,現象界の分類(五蘊(ごうん)説)やその生成の説明(十二縁起説)に関して〈識vijñāna〉という語が用いられ,それによって了別の働きや個性化の原理が意味されていた。大乗仏教の時代には,十二縁起のうちの〈識〉によっていっさいを説明しようとする唯識思想([唯識説])が現れ,その中で,五官にかかわる五識を統一する第六識が〈意識〉と呼ばれていた。…
【根】より
…サンスクリットのインドリヤindriya(元来の意味は力)の漢訳。一般にインド哲学では5種の感覚機能または器官(眼,耳,鼻,舌,身)を意味し〈五根〉と総称するが,すでにウパニシャッドの中では身体に宿る生命活動機能の一つとして〈五根〉が列挙されている。…
※「意」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」