精選版 日本国語大辞典 「得意」の意味・読み・例文・類語
とく‐い【得意】
〘名〙 (意を得るの意)
① (━する) 自分の気持にかなうこと。また、その結果満足すること。目的を達して満足していること。
※菅家文草(900頃)二「憤釈愁慰、朗然如レ醒。予重抒二蕪詞一、謝二其得意一」 〔史記‐蘇秦伝〕
② 自分の気持を理解する人。親しい友。昵懇(じっこん)にする人。知友。また、知り合い。
※菅家文草(900頃)二・山家晩秋「千万人家一世間、適逢二得意一不レ言レ還」
※源氏(1001‐14頃)明石「入道はかの国のとくゐにて、年ころあひかたらひ侍れど」
③ (形動) 自信があり、また、十分に慣れていること。それに熟達していること。また、そのさま。えて。
※古事談(1212‐15頃)一「或主殿司若令三得意人守二護之一」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四八「必ず共に君の得意(トクイ)なる所のものも亦談じ」
④ ひいきにすること。また、その人。
※枕(10C終)八七「御とくいななり、さらによもかたらひとらじ」
※浮世草子・好色一代男(1682)二「元来(もとより)商のとくい、殊更にあしらい」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一一「それから愛顧客(トクイ)も減ったといふから」
⑥ (形動) 自信をもって誇らしげにふるまうこと。盛んに自慢すること。誇りたかぶること。また、そのさま。
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉六「意気揚々として市中を横行するの時に於ては。道傍の人誰も天晴れ貴人なりと指し語るを見て自ら得意となす」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報