本意(読み)ほんい

精選版 日本国語大辞典 「本意」の意味・読み・例文・類語

ほん‐い【本意】

〘名〙
① まことの心。本来意志。実際の望み。かねての願い。本懐本心。ほい。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「ほんいのうと静かなるべい事のかたかべいをなむ、いかさまにせましと思はべり」
源平盛衰記(14C前)一九「祷りの甲斐ありて、本意をとげぬる嬉しさよ」 〔後漢書‐竇融伝〕
② 真の意味。まことの意味。
※足利本論語抄(16C)学而第一「集めて解は諸家の善説を解此書の本意と云心也」
③ 本来あるべきさま。特に和歌連歌俳諧などで、ある題材が本来備えている、最もそれにふさわしいと考えられる性質や意味、あり方。
六百番歌合(1193頃)春中・五番「野遊、うちまかせては我が遊ぶべきが深きか。難にはあらねども、本意なし」

ほ‐い【本意】

〘名〙 (「ほんい(本意)」の撥音「ん」の無表記) 本来の志。かねてからの希望
古今(905‐914)恋五・七四七・詞書五条きさいの宮のにしのたいにすみける人に、ほいにはあらでものいひわたりけるを」

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デジタル大辞泉 「本意」の意味・読み・例文・類語

ほん‐い【本意】

本当の気持ち。本心。真意。「本意をただす」
もとからの考え。本来の意志。本懐。本望。「本意を遂げる」
和歌・連歌・俳諧で、物の本質・あり方・情趣。物の美的本性。
[類語](1真意本心本音下心魂胆

ほ‐い【本意】

《「ほんい」の撥音の無表記》本来の望み。本当の考え。
「かの世にても、いま一度あひ見むと思ふ―侍れば」〈宇津保・忠こそ〉

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普及版 字通 「本意」の読み・字形・画数・意味

【本意】ほんい・ほい

本心。本懐。目的。晋・杜預〔春秋左氏伝の序〕仲尼曰く、に沒したれども、(ここ)に在らずやと。此れ制作の本なり。

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