精選版 日本国語大辞典「邪気」の解説
じゃ‐き【邪気】
〘名〙
① 病気などを起こす悪い気。悪気。
※太平記(14C後)二三「俄かに邪気(ジャキ)に侵され、身心悩乱して、五体逼迫しければ」 〔礼記‐楽記〕
② 物の怪(け)。ざけ。
※権記‐長徳四年(998)三月三日「左丞俄有二煩給一、〈略〉示云、腰病、邪気所為也云々」
※古今著聞集(1254)一「先度、汝大般若の御読経つかうまつりしに験ありき。はじめあゆみ来たりつる物は邪気なり」
③ かぜ。風邪。感冒。
※文机談(1283頃)一「冷泉院の御邪気の時」
④ ねじけた気風。悪意。
※許六宛去来書簡‐元祿八年(1695)正月二九日「凡兆この比、古翁の其角を御引被レ成候とて邪気をさしはさみ居候故」
じゃ‐け【邪気】
〘名〙
① もののけ。また、病気。じゃき。ざけ。
※源氏(1001‐14頃)浮舟「例の御しゃけの、久しく起こらせ給はざりつるを。恐ろしきわざなりや」
② 人をだましたり、傷つけたりしようとする気持。悪気(わるぎ)。
※甲陽軍鑑(17C初)品八「内典外典ともに、たづさはり、邪気(ジャケ)、聊もなければ」
ざ‐け【邪気】
〘名〙 (「ざ」は「じゃ」の直音表記。「け」は「気」の呉音) もののけ。たたり。じゃき。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「これかれに物問はせ侍ればざけなど申す。作善(さぜん)など行(おこな)はせ侍れど、なほ心もとなきを」
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