舌(漢字)

普及版 字通 「舌(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ゼツ
[字訓] した・ことば

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 象形
口中より舌が出ている形。卜文の字形は舌端が分かれている。〔説文〕三上に「口に在りて言ひ、味を別つ以(ゆゑん)のなり」(段注本)とし、また「干口に從ふ。干は亦聲なり」とするが、形も声も異なる。〔段注〕に「言は口を犯して之れを出だし、は口を犯して之れに入る」と干犯の義を説くが、拘泥の説である。〔六書略〕に「吐舌の形に象る」とするのがよい。卜文の聞・には、口舌の形をそえている。

[訓義]
1. した。
2. ことば。
3. 器物の、舌状に出ているところ。

[古辞書の訓]
和名抄〕舌 之多(した) 〔名義抄〕舌 シタ

[部首]
〔説文〕になど二字を属し、〔玉〕には八字。三舌を並べて「古、話なり」とする字がある。〔康熙字典〕に舍(舎)・舒・辞・(館)などの字をこの部に属するが、舌とはまったく関係のない字である。

[声系]
〔説文〕に舌声として恬・銛など五字を収める。恬はおそらく(てん)声。席(てんせき)に安んずる意。銛(せん)は(くわ)の属。みな舌声と関係がない。また活・括・話の従うところは(かつ)の略形。は剞(きけつ)(彫刻刀)の形に従う字である。

[語系]
舌djiat、咄tutは声近く、舌を出すようなしぐさを咄という。みな擬声的な語である。

[熟語]
舌挙・舌言・舌耕・舌根・舌人舌尖舌戦・舌・舌短・舌端・舌談舌敝舌弊・舌弁舌鋒・舌本・舌論
[下接語]
鸚舌・乾舌・舌・巻舌・鼓舌・口舌・巧舌・喉舌・讒舌・歯舌・雀舌・収舌・柔舌・冗舌・饒舌・鐸舌・長舌・重舌・吐舌・掉舌毒舌訥舌佞舌筆舌・奮舌・弁舌妙舌・木舌・捫舌・揺舌・両舌

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報