長広舌(読み)ちょうこうぜつ

精選版 日本国語大辞典 「長広舌」の意味・読み・例文・類語

ちょうこう‐ぜつ チャウクヮウ‥【長広舌】

〘名〙 (「こうちょうぜつ(広長舌)」の変化したもの) 滔々(とうとう)と長くしゃべり続けること。長舌
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二「例の長広舌をふるった其話の三分の二は、自分吹聴

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デジタル大辞泉 「長広舌」の意味・読み・例文・類語

ちょうこう‐ぜつ〔チヤウクワウ‐〕【長広舌】

《「広長舌」の変化した語》よどみなく長々としゃべりつづけること。「長広舌をふるう」
[類語]長談義

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故事成語を知る辞典 「長広舌」の解説

長広舌

長々としゃべること。

[使用例] 私の答えは彼らを満足させなかったようだ。私は常に口ごもるか、支離滅裂な長広舌をふるうかのどちらかに偏したからである[五木寛之*風に吹かれて|1968]

[由来] 仏教で、説法をするときのしゃの舌は広くて長いとされているところから。たとえば、「大智度論―八」には、釈迦が髪の生え際にまで届くほどの「こうちょうぜつ」を出して、「これほどの舌を持ちながらいい加減なことを言う者がいると思うか」と問いかける話が載っています。ここに見える通り、もともとは「広長舌」でしたが、日本では「長広舌」に変わり、意味も変化して使われています。

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世界大百科事典(旧版)内の長広舌の言及

【三十二相】より

…額の中央の白毫(びやくごう)という長い毛は巻いて珠玉状となっている。長広舌といって舌が大きく長い。指と指のあいだが鳥の水かきのようにつながっている。…

【舌】より

…仏教でいう十悪のうち,うそをつく,二枚舌をつかう,悪口を言う,無駄口をたたくの四つが舌または口に関係し,《大集経》によれば阿弥陀仏はこの四つの過ちを犯さぬようにと広く長い舌(広長舌。長話をする意で使われる〈長広舌をふるう〉の長広舌はこれが転じたもの)を得た。これは顔を覆い,耳や髪の生え際から梵天までも達する大きさに加えて,その上に五つの模様があり,動かせば五色の光が出て仏の周りを七周するという(《往生要集》)。…

※「長広舌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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