舌咽神経(読み)ぜついんしんけい

精選版 日本国語大辞典 「舌咽神経」の意味・読み・例文・類語

ぜついん‐しんけい【舌咽神経】

〘名〙 脊椎動物の第九脳神経延髄から出て内耳付近および舌根咽頭に分布する感覚神経

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デジタル大辞泉 「舌咽神経」の意味・読み・例文・類語

ぜついん‐しんけい【舌咽神経】

舌と咽頭に分布する脳神経。舌の後部3分の1の味覚知覚をつかさどり、舌骨筋・咽頭筋の運動耳下腺分泌などに関与する。第九脳神経。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舌咽神経」の意味・わかりやすい解説

舌咽神経
ぜついんしんけい

第9脳神経で、その名の示すとおり、舌と咽頭に分布する神経である。舌咽神経は、運動線維、感覚線維、副交感性線維を含む混合神経であり、ヒトでは、橋(きょう)と延髄の境でその両外側部から迷走神経(第10脳神経)といっしょに出る。感覚神経としては、舌の後ろの3分の1の味覚と知覚(痛覚触覚・温度覚)、咽頭から鼓室にわたる粘膜の知覚をつかさどるほか、頸動脈(けいどうみゃく)洞・頸動脈小体に分布して心臓の働きの抑制血管の拡張などもつかさどる。このほか、耳下腺(じかせん)に分泌線維を送っている。なお、運動神経としては咽頭筋を支配している。

[嶋井和世]

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百科事典マイペディア 「舌咽神経」の意味・わかりやすい解説

舌咽神経【ぜついんしんけい】

脳神経の第9対で第9脳神経ともいう。主として舌および咽頭に分布する。延髄から起こり頸(けい)静脈孔を通って頭蓋外に出て,舌枝と咽頭枝に分かれる。舌枝は舌の後部に分布してその知覚と味覚をつかさどり,咽頭枝は咽頭壁に分布して粘膜の知覚,腺の分泌,咽頭筋の運動に関係する。なお舌咽神経の中には耳下腺分泌神経が含まれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「舌咽神経」の意味・わかりやすい解説

舌咽神経
ぜついんしんけい
glossopharyngeal nerve

第9脳神経。知覚,運動,分泌を受けもつ混合神経で,舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。また分泌線維は耳下腺に分布し,唾液の分泌を司る。鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

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栄養・生化学辞典 「舌咽神経」の解説

舌咽神経

 第IX脳神経で,舌と咽喉を支配する知覚,運動,分泌神経.

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世界大百科事典(旧版)内の舌咽神経の言及

【延髄】より

…迷走神経はまた,これらの内臓からの感覚を延髄に伝えたり,大動脈(弓)に加わる血圧の状態を延髄に伝え,それに応じて心臓の運動を調節する。舌咽神経は,舌と咽頭に分布し,知覚,運動,分泌をつかさどる。副神経は頸と肩にある二つの筋(胸鎖乳突筋と僧帽筋)を動かす。…

【舌下神経】より

…この神経を出す神経細胞は,脊髄の前角細胞と同類の運動神経細胞で,脊髄前角細胞に連続するような形で延髄の下位レベルに存在する。なお,舌の感覚神経としては,舌の前方2/3の領域をつかさどる舌神経(第5脳神経である三叉神経の第3枝の枝)と舌の後方1/3の領域をつかさどる舌咽神経(第9脳神経)がある。神経系【水野 昇】【正井 秀夫】。…

【脳神経】より

…三半規管と平衡斑からの情報を伝える前庭神経と,蝸牛からの聴覚情報を伝える蝸牛神経とからなり,前庭・蝸牛神経,または平衡・聴覚神経ともよばれる。 第9脳神経は舌咽神経nervus glossopharyngeusである。舌の後方1/3の領域の粘膜感覚,味覚,分泌,咽頭上部の運動,感覚,分泌をつかさどる神経繊維のほか,耳下腺の分泌神経を含んでいる。…

※「舌咽神経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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