精選版 日本国語大辞典 「感心」の意味・読み・例文・類語
かん‐しん【感心】
[1] 〘名〙
① すぐれたもの、人の心を打つものなどによって、心が深く動かされること。心に深く感じること。感服。肝心。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※花鏡(1424)比判之事「二曲も物まねも儀理もさしてなき能の、さびさびとしたる中に、何とやらん感心のある所あり」
② (①の逆説的な使いかた) つまらないこと、くだらないことに、あきれること。驚くこと。「あいつの忘れっぽいのにも感心する」
[2] 〘形動〙
① こちらが心を動かされるほど、行動、態度、状態などがりっぱだ。ほめたたえられるべきさまだ。
※俳諧・三冊子(1702)わすれ水「『さのみ見る所なし。死て後見侍らば、是とても又哀にて、見る所もあるべし』と也。感心成る詞也」
② (逆説的な使い方で、少しばかにした意味で) りっぱだ。
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉上「『いや、全く姉さんはお嫁に来た時の気分だ━感心だ』と宗蔵が眼で笑ひながら」
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