デジタル大辞泉
「弾」の意味・読み・例文・類語
だん【弾】
1 たま。弾丸。また、それを数える語。
2 (弾丸にたとえて、多く接尾語的に用いる)
㋐次々と打ち出す企画や計画、作品などを数える語。「バーゲンセール第1弾」「シリーズ第3弾の映画」
㋑野球のホームランや、サッカーなどのゴール。「逆転満塁弾」「決勝弾をたたきこむ」
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はじ・く【弾】
[1] 〘他カ五(四)〙
① 撓
(たわ)んだものがはねかえる力で他を打つ。
爪先を親指の腹などにあててはねかえらせて他の物を打つ。また、そのように物をはねかえす。はねとばす。
※
徒然草(1331頃)一七一「
碁盤の隅に石を立ててはじくに」
② 弓の弦をはずして、弓のたわみをゆるめる。
※
万葉(8C後)一四・三四三七「陸奥
(みちのく)の安太多良真弓波自伎
(ハジキ)おきて反
(せ)らしめきなば弦
(つら)着
(は)かめかも」
③ はねのける。除外する。受けつけない。拒否する。
※玉塵抄(1563)四「
そちは山居をこのうで芋栗〈略〉の山家の味にあいて吾をはじきのけたこと久ぞ」
④ 楽器の弦をつまびく。
※名語記(1275)六「ひくは弾也。はじくのよみあり」
⑤
算盤(そろばん)の珠を指先で動かして計算する。
※雑俳・柳多留‐初(1765)「松が岡ちっとはじくが納所分」
⑥ 言い放つ。ぬかす。
※浄瑠璃・四天王最後(1661)六「何とておのれは物をばはじかぬ、なんぢうしの子か」
⑦ 強い匂いが刺激する。突く。
※仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下「涙にぞ濡れつつ搾る濁り酒の辛き心は鼻をはぢくか」
⑧ こっそりと盗む。かすめとる。はじける。
はじ・ける【弾】
[1] 〘自カ下一〙 はじ・く 〘自カ下二〙
① さけてわれる。われて口が開く。熟してわれる。はぜる。
※俳諧・俳諧新選(1773)三「さや豆のはじけてけふの別れ哉〈冠那〉」
② 転じて、ばらばらに飛び散る。せきをきったように
勢いよく飛び出る。
※
星座(1922)〈
有島武郎〉「笑声が弾
(ハジ)けるやうに響いた」
③ 熟してくる。発達してくる。
※毒朱唇(1890)〈
幸田露伴〉「自然と出来のよい人間並に
智慧も日に増し発
(ハジ)けて来たであらう」
※歌舞伎・
綴合於伝仮名書(
高橋お伝)(1879)三幕「『おい婆さん、モウ燗が附いたらう』『附いたか附かないか、飲んで見よう』『ええ、そこで弾
(ハジ)けられてなるものか』」
[
補注](二)については「はしける(艀)」と関連があるかもしれない。
はじき【弾】
〘名〙 (動詞「はじく(弾)」の連用形の名詞化)
① はじくこと。また、その力。
※歌舞伎・黒手組曲輪達引(1858)二幕「此の傘にたとへて言はば〈略〉弾きを張って力まずとも」
③ はねのけること。拒絶すること。
※歌舞伎・
梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)序幕「娘に振りつけられ弾きにされた悔しんぼに」
④
三味線の演奏で、
左手の指で弦をはじいて音をだす
技法。
開放弦をはじく時と、食指で押えておいて、中指または薬指ではじく時とがある。特別なものに、裏弾き、外弾きがある。
※浮世草子・好色二代男(1684)二「まま事のむかしを今に、はじきといふなどして遊びぬ」
⑦
ピストルをいう隠語。〔特殊語百科辞典(1931)〕
はずま・す はづます【弾】
〘他サ五(四)〙
① 弾力的にはねかえるようにする。はずむようにする。はずまかす。
※俳諧・小町踊(1665)夏「つかねども風のはづます手鞠かな〈高敷〉」
② せわしくする。せきこませる。息づかいを荒くさせる。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「『私、試験なんか…』と、息を喘(ハヅ)まして言ふ」
③ 勢いがつくようにする。調子づかせる。
※丹下氏邸(1931)〈井伏鱒二〉「さぞや洋の字は、話をはずましてゐるに相違ない」
だん‐・ずる【弾】
〘他サ変〙 だん・ず 〘他サ変〙
① (中世では多く「たんずる」) 楽器の弦をかきならす。かなでる。ひく。奏す。
※平家(13C前)三「常に朗月を望み、浦風に嘯き、琵琶を弾じ、和歌を詠じて」
② ただす。罪をせめただす。弾劾(だんがい)する。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一九「互に此般の不品行あれば、着着其罪を弾じて、相罵り候由なりし」
だん・じる【弾】
〘他ザ上一〙 (サ変動詞「だんずる(弾)」の上一段化したもの。「たんじる」とも) =
だんずる(弾)※和英語林集成(初版)(1867)「コト ヲ tanjiru(タンジル)」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
弾
ジュジュ化粧品株式会社が販売する基礎化粧品のブランド名。
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世界大百科事典(旧版)内の弾の言及
【箏】より
…唐代(618‐907)に至り,清楽は12弦箏を用いたが,他は13弦箏を普通とした。 奏法には指で奏する搊(しゆう),骨製の爪(義甲)で奏する弾,弦を擦って鳴らす軋(あつ)があったというが,搊と弾の意味はかならずしも明確ではない。宋代(960‐1279)になると12弦箏は用いられなくなる。…
※「弾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」