弾指(読み)ダンシ

デジタル大辞泉 「弾指」の意味・読み・例文・類語

だん‐し【弾指】

[名](スル)《古くは「たんじ」「だんじ」とも》
仏語
㋐曲げた指の爪を親指の腹にかけて強くはじくこと。許諾警告忌避歓喜などの意を表す所作
㋑きわめて短い時間の単位。一万二千弾指を一昼夜とする。
非難すること。排斥すること。
「其浮薄遊惰をにくんで以て之れを―せざる者なしと」〈菊亭香水・世路日記〉

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精選版 日本国語大辞典 「弾指」の意味・読み・例文・類語

だん‐し【弾指】

〘名〙 (「たんじ」「だんじ」「たんし」とも)
① 仏語。人さし指か中指の先を親指の腹にあてて音を立てること。敬虔や歓喜、あるいは警告や許可などの意を表わす。
霊異記(810‐824)下「爰に景戒慚愧の心を発して、弾指して言はく」
② 転じて、非難すること。排斥すること。
※小右記‐長和三年(1014)一二月六日「其辺有能通朝臣領処、大納言有要望気者、可弾指之世也」
③ 仏語。極めて短い時間を表わす単位。一弾指を六十五刹那とも六十念ともいい、一万二千弾指を一昼夜ともする。
空華集(1359‐68頃)一〇・賀雲門菴甘露閣成、兼謝主人太清和尚見展待云「甘露法門弾指開、倚空高閣望悠哉」 〔摩訶迦葉度貧母経〕

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普及版 字通 「弾指」の読み・字形・画数・意味

【弾指】だんし

指をはじく。強い感情を示す。中国郭沫若〔抗日戦争四十周年を紀念す、浣渓沙〕詞 彈指す、光陰四十年 (橋)の曉、將(まさ)にの如くならんとす 風に乘じ、共に濟(わた)りて天を待たん

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