常緑樹(読み)ジョウリョクジュ(英語表記)evergreen tree

デジタル大辞泉 「常緑樹」の意味・読み・例文・類語

じょうりょく‐じゅ〔ジヤウリヨク‐〕【常緑樹】

1年以上落葉せず、しかも交代新葉をつけるので、いつも緑葉をもつ樹木。→落葉樹
[類語]広葉樹闊葉樹かつようじゅ針葉樹コニファー常盤木ときわぎ落葉樹・照葉樹・

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精選版 日本国語大辞典 「常緑樹」の意味・読み・例文・類語

じょうりょく‐じゅ ジャウリョク‥【常緑樹】

〘名〙 一年中落葉しないで、緑色を帯びた葉をつけている樹木。常磐木(ときわぎ)
日本風景論(1894)〈志賀重昂〉九「夫の常緑樹、人之れを絶愛す」

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改訂新版 世界大百科事典 「常緑樹」の意味・わかりやすい解説

常緑樹 (じょうりょくじゅ)
evergreen tree

落葉樹対語で,葉の寿命が1年以上あり,年中葉をつけている樹木。落葉樹とは葉の寿命で区別されるが,葉が革質や肉質で厚く光沢があるので,葉のついた状態でも,落葉樹と一見して見分けられることが多い。葉の寿命は環境条件によっても変化するが,ヤブツバキ,クスノキのように1年で,毎年すべての葉が作られるものから,アカマツシイのように普通は2年のもの,モミツガのように長ければ10年以上になるものまである。常緑樹の落葉期は,広葉樹では春の新葉展開時が多いが,針葉樹では生長が休止する秋から冬にかけてになる。常緑葉をもつことの有利さとしては次のようなことが考えられている。(1)冬の厳しくない暖温帯では,冬季にも気温が上がれば光合成を行える。(2)亜高山帯亜寒帯では,冬季には休眠して光合成活性を失うが,春の生育期のはじまりに直ちに回復すれば,新しい葉を展開するまでの間に早くから光合成ができる。(3)林床などの暗い光条件下では,葉の寿命が長くなるほど,毎年に失う葉の量は少なくてすみ,物質経済的なやりくりが容易になり,耐陰性が高まる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「常緑樹」の意味・わかりやすい解説

常緑樹
じょうりょくじゅ

葉の交代が連続的に行われ、落葉期をもたない樹木をいう。葉の寿命は温帯以北では1年ないしそれ以上(一般には2~3年)であるが、常緑針葉樹にあっては10年以上も生きている場合がある。熱帯では、新葉の出葉とともに旧葉が落葉していく常緑樹もあり、この場合は葉の寿命が数か月という状態もおこる。日本ではシイ、カシタブノキなど照葉樹とよばれる常緑広葉樹のほかに、モミ、ツガ、シラビソ、オオシラビソなどの常緑針葉樹がみられる。ウバメガシは、地中海式気候下に分布する硬葉樹に含められる常緑樹である。

[大澤雅彦]

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百科事典マイペディア 「常緑樹」の意味・わかりやすい解説

常緑樹【じょうりょくじゅ】

四季にわたって葉をつけている樹木。落葉樹の対。カシ,シイなどの常緑広葉樹とマツ,スギなどの常緑針葉樹がある。前者は熱〜暖温帯に,後者は冷温〜亜寒帯におもに分布する。葉の寿命は種類により1〜数年。
→関連項目落葉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「常緑樹」の意味・わかりやすい解説

常緑樹
じょうりょくじゅ
evergreen tree

四季を通じて常に緑葉を保っている樹木。落葉樹に対する語。ただし各葉は幾年間も枯死しないのではなく,寿命は種類にもよるが1年から数年ぐらいで枯死落葉し,次々に新しい葉がつくられていくので落葉現象が目立たない。カシ,シイなどの常緑広葉樹と,マツ,モミなどの常緑針葉樹があり,針葉樹を除き温帯の低山地,亜熱帯,熱帯に多い。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「常緑樹」の解説

常緑樹 (ジョウリョクジュ)

植物。常緑樹の総称。トキワギの別称

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世界大百科事典(旧版)内の常緑樹の言及

【落葉樹】より

常緑樹の対語で,葉の寿命が1年に満たず,すべての成葉を失って休眠状態に入る時期をもつ樹木。落葉樹の大半は広葉樹であるが,カラマツ,セコイアのような針葉樹の一部も含まれる。…

※「常緑樹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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