普及版 字通 「宿(漢字)」の読み・字形・画数・意味
宿
常用漢字 11画
[字訓] やどる・とのい・とどまる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
宀(べん)+(しゆく)。宀は屋、(てん)は席(しきもの)。人が中など神聖な建物に宿直することを示す字。〔説文〕七下に「止まるなり」とするが、留宿して守ることをいい、また致斎(ものいみ)の意がある。〔礼記、礼器〕「三日宿す」とは斎宿すること三日の意。また宿戒ともいい、〔周礼、春官、世婦〕に「女官の宿戒を掌る」とあり、祭祀の前には宿戒する定めであった。それより予(あらかじ)めすること、久しくすること、残存することなどの意となる。
[訓義]
1. やどる、とのいする、まもる。
2. つつしむ、きよめる、はらう、いましめる。
3. とどまる、おちつく、すむ。
4. ひさしい、ふるい。
5. あらかじめ、かねて、さきに、はやく。
6. 速と通じ、まねく、すすめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕宿 ヨル・ヤドル・オク・アラカジメ・ムカシ・ネタリ・モト 〔字鏡集〕宿 イヘ・モト・ヤスシ・ムカシ・ヨル・スム・オク・トドマル・トドム・アラカジメ・オホイナリ・モトヨリ・ヤドル・トマル・シク
[声系]
〔説文〕に宿声として縮など二字を収める。
[語系]
宿・(しゆく)(夙)sukは同声。の卜文の字形は月を拝する象であるらしく、両字の声義に関係がある。肅(粛)siuも声近く、宿を粛敬・振敬の意に用いる。は〔説文〕七上に「早なり」と訓する。
[熟語]
宿痾▶・宿悪▶・宿意▶・宿因▶・宿雨▶・宿雲▶・宿営▶・宿衛▶・宿駅▶・宿怨▶・宿恩▶・宿火▶・宿臥▶・宿戒▶・宿懐▶・宿学▶・宿憾▶・宿患▶・宿願▶・宿貴▶・宿寓▶・宿契▶・宿慧▶・宿眷▶・宿嫌▶・宿構▶・宿好▶・宿垢▶・宿恨▶・宿根▶・宿債▶・宿歳▶・宿斎▶・宿罪▶・宿志▶・宿止▶・宿歯▶・宿積▶・宿次▶・宿酒▶・宿儒▶・宿宿▶・宿処▶・宿舂▶・宿将▶・宿訟▶・宿場▶・宿心▶・宿酔▶・宿生▶・宿栖▶・宿夕▶・宿昔▶・宿碩▶・宿膳▶・宿素▶・宿草▶・宿蔵▶・宿賊▶・宿沢▶・宿諾▶・宿恥▶・宿▶・宿鳥▶・宿直▶・宿▶・宿亭▶・宿敵▶・宿店▶・宿蠹▶・宿徳▶・宿頓▶・宿泊▶・宿病▶・宿負▶・宿物▶・宿憤▶・宿兵▶・宿弊▶・宿抱▶・宿飽▶・宿望▶・宿霧▶・宿▶・宿夜▶・宿留▶・宿慮▶・宿廬▶・宿老▶・宿世▶
[下接語]
一宿・淹宿・戒宿・魁宿・合宿・帰宿・耆宿・鬼宿・寄宿・久宿・居宿・寓宿・群宿・下宿・経宿・斎宿・止宿・衆宿・常宿・辰宿・信宿・星宿・棲宿・草宿・托宿・直宿・天宿・投宿・同宿・独宿・屯宿・庇宿・分宿・暮宿・無宿・夜宿・野宿・留宿・旅宿・列宿・露宿・老宿
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報